“あんちゃん持ち”は違反じゃないからやってもいい?
“あんちゃん持ち”は確実なハンドル操作を阻害し、事故を起こす危険がある運転姿勢となりますが、道交法では、ハンドル等の操作は確実に行うことがドライバーに義務付けられているものの、「運転中は両手でハンドルを保持し続けなければならない」「片手で運転してはいけない」といった具体的な明記は存在していません。そのため、“あんちゃん持ち”をしていることだけを理由に検挙されることはほとんどありません。

しかし、確実な操作ができない状態で運転をし続け事故を起こした場合は、ドライバーの義務を怠ったとして安全運転義務違反に該当。交通死亡事故が発生したとき、その半数以上はこの安全運転義務違反によるものとされているため、「“あんちゃん持ち”が死亡事故につながることもある」と考えることは間違いではないでしょう。
「誰にも迷惑をかけていない」という言い訳をかざす人もいますが、事故が起こる可能性を下げるため、少しでも事故のリスクが低くなる選択をするという考えを持つことがドライバーには求められます。
「迷惑かけなければ何してもいい」と考えるドライバーは、自分が思っている以上に周囲を危険にさらす運転をしているおそれがあるため、一度自身の運転を省みたほうがよいかもしれません。
※本稿は、自動車専門情報サイト「MOBY(モビー)」からの転載である。