米ニューヨーク州のトーマス・ディナポリ会計監査官は26日、ニューヨークの証券業界のボーナスの平均額が2024年に前年比で31.5%上昇し、24万4700ドル(約3682万円)となったと発表した。昨年は取引が急増したことで、ニューヨークの金融界で支給されたボーナスの総額は前年比34%増の475億ドル(約7兆1500億円)に上ったと推定され、1987年以降最高額を記録した。
ボーナスが増加した要因は、ニューヨークの金融業界の利益が昨年90%増加し、S&P500種株価指数やナスダック総合株価指数のほか、米半導体大手エヌビディアや米データ解析大手パランティア・テクノロジーズなど複数のハイテク株が記録的な年となったことが重なったことによる。
ディナポリ監査官によると、証券会社の年間雇用者数も少なくとも過去30年間で最高の水準に達し、2023年の19万8400人から24年には20万1500人に増加した。同監査官は、昨年のボーナスにより州の所得税収入が前年から6億ドル(約903億円)増加し、ニューヨーク市では2億7500万ドル(約414億円)の増加になると見積もっている。
24年にニューヨークの証券業界が得た利益は499億ドル(約7兆5100億円)に上り、前年の263億ドル(約3兆9600億円)から大幅に増加した。だが、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた20年の509億ドル(約7兆6700億円)や21年の584億ドル(約8兆8000億円)の水準には届かなかった。
ウォール街の銀行員の年収
米金融情報サイト「マージャーズ&インクイジションズ(M&I)」によると、アナリストの年収は約16万~21万ドル(約2400万~3200万円)で、アソシエイトになると27万5000~47万5000ドル(約4100万~7200万円)を稼ぐという。
昨年は、ナスダック指数が28.6%上昇して史上最高値に達したほか、S&P500指数も23.3%上昇するなど、株式市場にとって記録的な年となった。米ネット証券大手チャールズ・シュワブによると、昨年はS&P500指数が2年連続で20%以上上昇。この記録は1990年代後半以来達成されていなかった。エヌビディアが24年に171%の急騰を遂げ、パランティアがS&P500で最もパフォーマンスの良い銘柄となるなど、昨年はハイテク株も好調な1年となった。