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欧州

2025.03.12 16:00

ウクライナ軍がクルスク州から撤収開始か

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ロシア西部クルスク州では2月23〜24日ごろ、1万人規模のウクライナ軍が保持してきた突出部の中心地スジャ町につながる幹線道路で、ウクライナ軍の車両を狙ったロシア軍のドローン(無人機)による精確な攻撃が立て続けにあり、数十両が撃破されていた。この突出部は急速に縮小している。

独立系アナリストのアンドルー・パーペチュアは、これらの損害を記録した25日のマップの画像を投稿し、自身のマップをフォローしてきた人たちは「クルスクについて心配し始めた日だったはず」と書いている。

ウクライナ軍で最も重装備の部類に入る旅団を含め、クルスク州に展開していた部隊の大半は撤退し、国境のウクライナ側に移動したように見える。

ウクライナの退役軍人で、現在は米国でウクライナ軍への支援活動に携わるコスチャンティン(コンスタンチン)は「友人たちはどうにかクルスクを離れ、包囲を避けることができました」と投稿している。「こうなってしまったのは悲しい。けれどこれが現実なのです」(編集注:現地から報告していたウクライナ海兵隊のドローン操縦士、Kriegsforscherも「別の方面に配置されます」とフォロワーに返信している

ウクライナ軍は昨年8月にクルスク州に侵攻し、数百平方km以上を一気に制圧した。しかし、突出部の西を流れるスナゴスチ川(セイム川の支流)の対岸側では、防御可能な拠点をついぞ確保できなかった。また、突出部を北へ拡大しようとする努力は、ポグレブキ村周辺でのロシア側による反撃で難しくなった。そして東側では、最終的に1万2000人規模の北朝鮮部隊とぶつかることになった。

ロシア側は昨年末、クルスク方面に兵力を集め、ウクライナ側に対して数的に3対1の優位に立った。それでもウクライナ軍は、地雷やドローン、大砲を用いてロシア軍の装甲車両による突撃を繰り返し撃退した。

2月中旬にあったロシア海軍第155独立親衛海軍歩兵旅団による突撃はその典型だった。ロシア軍の車両は長い縦隊を組み、旧ソ連の赤い旗を掲げて意気揚々とウクライナ陸軍第47独立機械化旅団の陣地に向けて進んできたが、あらかじめ仕組まれていたキルゾーンにはまった。

地雷でロシア軍の車両の何両かが爆破された。ドローンがほかの車両を攻撃し、下車した歩兵も追い回した。砲弾で衝撃を受けたのか、ロシア軍の乗員のひとりは損傷した車両から脱出し、雪原をよろよろと数歩歩いたあと、仰向けに倒れ込んだ。そこにドローンが突っ込んだ。

「クルスク州で前進しようとする敵の試みをすべて阻止しています」と第47機械化旅団は誇った。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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