10人の米国人の内6人は、自動運転の車に乗ることを怖いと感じていることが、全米自動車協会(AAA)の最新調査で判明した。さらに、自動運転テクノロジーが信頼できると答えたドライバーの割合は、昨年9%からわずかに上昇して13%に達したが、87%の人々は、依然としてこのテクノロジーに懐疑的であることが示された。
一方、そもそも運転免許を取得しない若者たちが増えている。1983年には16歳の46%、17歳の62%が運転免許を取得していたが、2021年には、この割合が25%と42%にまで低下した。こうした若い層のほうが、自動運転車に興味を示す傾向が強いのかもしれない。
そんな中、自動運転分野のリーダーである、アルファベット傘下のWaymo(ウェイモ)が提供するロボタクシーサービスの週あたりの有料利用回数は、昨年夏に10万件を突破していた。同社のロボタクシーは、サンフランシスコとロサンゼルス、フェニックスの3都市のみで利用可能だったが、ウェイモは1月にサンディエゴやラスベガス、ワシントンDCを含む10都市でテストプログラムを開始すると発表し、週ごとの有料利用回数が15万回を超えたと述べていた。
また、テスラも今年の6月に、完全自動運転のロボタクシーサービスを開始すると1月に発表した。一方で米国人のドライバーの大半は、自動車メーカーが自動運転テクノロジーよりも安全のためのテクノロジーに注力することを望んでいる。
AAAの自動車工学ディレクターのグレッグ・ブラノンは、2月25日の声明で、「大半のドライバーは、自動車メーカーに高度な安全技術の開発に注力してほしいと考えている。現代のドライバーの多くは、完全自動運転のためのテクノロジーよりも、安全性を高めるためのテクノロジーをより重視している」と述べている。
ドライバーの大半は、自分が運転する車に自動の緊急ブレーキ機能や車線を維持するためのアシスト機能、クルーズコントロール機能などを望んでいる。一方で、高度な運転のアシスト機能を望むドライバーの割合は、45%に留まっていた。
「先進的な車両の安全テクノロジーは、車が自動で運転しているかのような印象を与えることに注力するのではなく、ドライバーの安全性を向上させることに主眼を置くべきだ」とAAAは述べている。