クアラルンプール市場に上場するエコ・ワールドは、データセンター事業者との関係を強化している。デジタルインフラの拡大を目指すマイクロソフトは、今後の数年間で22億ドル(約3290億円)をマレーシアに投資する計画の一環として、ジョホール州のエコ・ワールドのビジネスパーク内にデータセンターを建設する予定だ。
クアラルンプールのMIDFリサーチのジェシカ・ローは18日のリサーチノートで「マイクロソフト・ペイメンツによるこの計画は、エコ・ワールドのビジネスパークの魅力を高めることになる」と指摘し、エコ・ワールドの株式の評価を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。
エコ・ワールドのビジネスパークは世界のハイテク大手を惹きつけており、昨年は13億リンギット(約438億円)以上に相当する土地をデータセンター事業者に売却していた。同社は、昨年6月にもマイクロソフトに123エーカーの土地を売却し、8月にはプリンストン・デジタル・グループに57エーカーを売却していた。
エコ・ワールドの株価は、18日午後に3.7%上昇し、1.99リンギットを記録。2日連続の上昇となった。同社はまた、18日にクアラルンプール郊外で統合型ビジネスパークの開発を手がけるパラゴン・ピナクルを傘下に収めたことを発表している。
不動産価格の手頃さと豊富な電力供給が魅力とされるマレーシアは、東南アジアにおけるデータセンターの成長拠点となっている。人工知能(AI)やクラウドコンピューティングの急速な普及がデジタルインフラ需要を押し上げる中、マレーシアではマイクロソフトのほかにアマゾンやグーグル、オラクルなどの複数のハイテク大手がデータセンター拠点を拡大している。
マレーシアで住宅やビジネスパーク、高層マンションの開発を手がけるエコ・ワールドは、メルボルンやロンドン、シンガポール、シドニーにも拠点を置いている。同社はデータセンター事業者への土地の売却に加えて、長期のリース契約からも追加の収益を上げるとみられている。
(forbes.com 原文)