経営・戦略

2025.02.21 10:00

マイクロソフト、マレーシアでデータセンターを拡大 不動産開発エコ・ワールドの株価急騰

マイクロソフト(Shutterstock.com)

マイクロソフト(Shutterstock.com)

マレーシアの不動産開発大手Eco World Development(エコ・ワールド・デベロップメント)は2月17日、ジョホール州に保有する約132エーカー(約56万平方メートル)の工業用地を、6億9400万リンギット(約233億円)で米マイクロソフトの関連会社に売却する契約を結んだと発表した。

クアラルンプール市場に上場するエコ・ワールドは、データセンター事業者との関係を強化している。デジタルインフラの拡大を目指すマイクロソフトは、今後の数年間で22億ドル(約3290億円)をマレーシアに投資する計画の一環として、ジョホール州のエコ・ワールドのビジネスパーク内にデータセンターを建設する予定だ。

クアラルンプールのMIDFリサーチのジェシカ・ローは18日のリサーチノートで「マイクロソフト・ペイメンツによるこの計画は、エコ・ワールドのビジネスパークの魅力を高めることになる」と指摘し、エコ・ワールドの株式の評価を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。

エコ・ワールドのビジネスパークは世界のハイテク大手を惹きつけており、昨年は13億リンギット(約438億円)以上に相当する土地をデータセンター事業者に売却していた。同社は、昨年6月にもマイクロソフトに123エーカーの土地を売却し、8月にはプリンストン・デジタル・グループに57エーカーを売却していた。

エコ・ワールドの株価は、18日午後に3.7%上昇し、1.99リンギットを記録。2日連続の上昇となった。同社はまた、18日にクアラルンプール郊外で統合型ビジネスパークの開発を手がけるパラゴン・ピナクルを傘下に収めたことを発表している。

不動産価格の手頃さと豊富な電力供給が魅力とされるマレーシアは、東南アジアにおけるデータセンターの成長拠点となっている。人工知能(AI)やクラウドコンピューティングの急速な普及がデジタルインフラ需要を押し上げる中、マレーシアではマイクロソフトのほかにアマゾンやグーグル、オラクルなどの複数のハイテク大手がデータセンター拠点を拡大している。

マレーシアで住宅やビジネスパーク、高層マンションの開発を手がけるエコ・ワールドは、メルボルンやロンドン、シンガポール、シドニーにも拠点を置いている。同社はデータセンター事業者への土地の売却に加えて、長期のリース契約からも追加の収益を上げるとみられている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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