アックマンは、7日の昼前に投稿したX(旧ツイッター)のポストで、自身が経営するパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントが、1月初旬からウーバー株の持ち分を積み増しており、現時点で3030万株を保有していることを明らかにした。
パーシング・スクエアは、米東部時間7日の午後1時30分現在でウーバーの1.4%の株式を保有しており、その価値は23億ドル(約3480億円)に達している。
アックマンによる発表の直後にウーバー株は約3%上昇し、その後は、10月30日以来の高値となる76.76ドルまで約9%急騰した。同社の株価は、5日に発表された第4四半期決算を受けて8%急落したが、その後の2営業日でそれぞれ8%以上上昇し、週の初めからの上昇率は14%に達した。
アックマンは、ウーバーの株価が「本質的な価値に対して大幅に割安だ」と説明し、同規模の企業としては「極めてまれな投資機会」を提供していると語った。
ウーバー株は7日、主要銘柄の中で最も好調なパフォーマンスを記録し、関税やインフレへの懸念から広範な下落に襲われた市場に逆行する形となった。ウーバー株のこの日の上昇率は、時価総額が1000億ドル(約15兆円)以上のS&P500企業100社の中で最も高く、その次に好調だったパランティアの上昇率である約4%を大きく上回った。
アックマンのウーバーに対する評価は、長年赤字を続けていた同社が、現在では大手企業の中で最も割安な銘柄の1つと見なされているという市場の見方と一致している。直近の四半期決算におけるウーバー株の株価フリーキャッシュフロー倍率は18.7倍であり、テスラ(397倍)やパランティア(168倍)、エヌビディア(62倍)などのハイテク大手と比べるとごくわずかなものだ。
ウーバーは2024年に、69億ドル(約1兆円)の現金を生み出しており、その額は2023年の34億ドル(約5200億円)から倍増していた。同社は、2019年から2023年までの4年間で約90億ドル(約1兆3600億円)の現金を喪失していたが、そこから状況を逆転させた。
2023年4月時点で186億ドル(約2兆8300億円)の運用資産を持つパーシング・スクエアは、グーグルの親会社であるアルファベットやチポトレなどの米企業にも投資している。金融業界で最も発言力のある人物の1人であるアックマンは、Xで160万人のフォロワーを抱えている。
ハーバード大学を卒業し、ユダヤ系アメリカ人の投資家であるアックマンは、アイビーリーグで頻発した反イスラエルの抗議デモを最も声高に批判した人物の1人としても知られている。
パーシング・スクエアは昨年7月、ニューヨークでのIPO計画を撤回したが、この動きは、想定よりも投資家の需要が弱かったためだと報じられた。アックマンは、以前は民主党を支持していたが、昨年7月にトランプへの支持を表明し、10万ドル(約1500万円)以上を献金していた。
(forbes.com 原文)