2人は、日本を代表するポッドキャスト番組のパーソナリティを務める。コロナ禍でポッドキャストに注目が集まり始めた2020年、TaiTanは「奇奇怪怪」、平野は「味な副音声~voice of food~」をスタートし、5年で多くのリスナーに愛される番組に育った。
数字で見ても、ポッドキャスト市場はグローバルで急成長している。米国の市場調査会社Market.us Scoopによると、ポッドキャスト広告市場は2023年に約127億ドル。2032年までに約430億ドルに達すると予想されている。日本市場は2024年が約546億円で、2033年には約2044億円に成長する見込みだ(レポートオーシャン調べ)。
また、電通はマスコミ四媒体由来のラジオデジタル広告費(ラジオ局が制作するポッドキャスト、radikoなどのデジタル番組広告費)を発表しているが、2023年は28億円で前年比127.3%を記録するなど、オールドメディアながら直近5年は右肩上がりに成長している。
そんな盛り上がりの中、早期からポッドキャスターとして活躍する2人は、ポッドキャストにどのような魅力を感じているのか?そして、どんな人がポッドキャスターに向いているのか——。
「ポッドキャスターを増やすこと」を目的に、TaiTanがオーディオ機器メーカーSHUREと制作したスニーカー「IGNITE the Podcasters」の展示会会場で、話を聞いた。
——まず、TaiTanさんはSHUREのクリエイティブディレクターとしてスニーカーの制作を提案したそうですが、ポッドキャスターを増やすためにスニーカーとは、どういうことですか?
TaiTan:そもそもは、SHUREからポッドキャスト番組が増えるための企画をつくってほしいというオファーがありまして。僕は、ポッドキャストを面白くしたいなと思うとき、とにかくネタを探して物理的に歩くんです。もはや、ポッドキャスターの移動距離と番組の面白さは比例するんじゃないかとすら思ってます。だから歩く人が増えたら面白い番組が増えるんじゃないかという仮説のもと 、歩きたくなるスニーカーという企画をSHUREに提案しました。

このスニーカーは、たくさん歩くことでソールが削れて隠されたシリアルナンバーが見えてくる仕様になっていて。そのシリアルナンバーを事務局に送ると、ポッドキャスト配信に最適なSHURE製のマイクと交換できる仕組みになっています。シリアルナンバーは3カ月くらい歩けば見えてくるはずので、そのころには喋るネタも大量にできて、ポッドキャストを始めるきっかけになるんじゃないかなと、ざっくりいうとそういう意図でスニーカーをつくりました。