Tips

2025.01.30 08:00

「至らぬ点もあるかと存じますが」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「至らぬ点もあるかと存じますが」の意味とは?

「至らぬ点もあるかと存じますが」という表現は、自分の行動や成果物、企画提案などに対して「完璧ではない部分があるかもしれません」という謙虚な姿勢を示す言葉です。「至らぬ点」は「十分に行き届いていない点」「完璧とは言い難い部分」などを指し、「かと存じますが」というフレーズを加えることで、さらなる改善や意見を求めると同時に、相手に対して低姿勢な態度を示しています。

ビジネスシーンにおいては、プレゼンテーションの最後や提出した資料の締めくくりなどで多用されるケースが多く、相手に評価やフィードバックを求めるときに効果的な表現と言えます。また、「自分で認識できていない欠点もあるかもしれないが、ご容赦いただきたい」「何か気づいた点や改善案があれば教えてほしい」というニュアンスも含むため、組織内外を問わずコミュニケーションを円滑にする言い回しの一つです。


ビジネスシーンでの具体的な使い方

提案や報告の締めとして

社内外を問わず、資料の提出やプロジェクトの提案で情報をまとめたあと、最後に「至らぬ点もあるかと存じますが、ぜひご意見をお寄せください」「ご指導をお願い申し上げます」という形で一文を加えると、相手に対して改良すべき箇所や追加の提案を促すことができます。
この表現によって、「自分のアイデアが完璧ではないことを自覚している」「相手の知見や意見を重視している」という態度を示すため、より前向きな意見交換のきっかけとなることが期待できます。

挨拶やお礼のメールでの使用

上司やクライアントへ挨拶するメールの文末にも、「至らぬ点もあるかと存じますが、今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします」と書き添えることで、初対面や新しい取引の場面でも丁寧な印象を与えられます。
特に、新入社員や新しい担当者として挨拶するときには、自分の未熟な部分や改善の余地があることを示す表現として重宝します。

不備や謝罪を含む場面での活用

例えば、トラブル対応後の振り返りメールやクライアントへのお詫び文書においても、「至らぬ点もあるかと存じますが、引き続き改善に取り組みます」などと書くと、自分の対応が完全ではなかったことを認めつつ、相手に理解を求められます。
そうすることで、相手からの信頼を回復したり、次回以降の協力を得やすくなったりする可能性が高まります。

使うときに気をつけたいポイント

必要以上に卑下しすぎない

「至らぬ点もあるかと存じますが」という表現は、あくまで不足や不十分であるかもしれない点を謙虚に伝えるためのものです。したがって、度を超えて自分を卑下しすぎると、受け手に「本当に何もできていないのでは?」と逆に不安を与えてしまうケースもあります。
大切なのは「至らないかもしれない部分を認めつつ、前向きに改善を求める姿勢を示す」こと。必要以上にネガティブな印象を広げないように文面や口調を工夫すると良いでしょう。

フォローアップの手段を示す

「至らぬ点もあるかと存じますが」の後に、ただ「申し訳ございません」「どうかご容赦ください」で終わってしまうと、相手としては「改善する気があるのか?」「何かサポートできるのか?」と疑問に思うかもしれません。
そこで、「ご意見をいただきながら改善していきたいと思います」「お気づきの点は遠慮なくお知らせください」などと添えれば、次のアクションや相手とのコミュニケーションを具体的に進めやすくなります。

類義語・言い換え表現

「不行き届きな点もあるかと存じますが」

「不行き届き」は「行き渡っていない、注意が行き届いていない」という意味を持ち、「至らぬ点」に近いニュアンスがあります。自分の作業や対応などが完璧でない可能性を示しつつ、「相手のフォローや意見を求める」姿勢を表す点で、言い換えのフレーズとして使うことができます。
やや硬めの表現になるため、公式文書やかしこまったメールなど、フォーマルな場面での使用に適しています。

「拙いところがあるかと存じますが」

「拙い(つたない)」は、「技能や出来映えが未熟である」といった意味です。「拙いところがあるかと存じますが」とすることで、さらに自分の未熟さを強調する表現に変わります。
ただし、「拙い」は前述のとおり未熟さを明確に示す言葉なので、場面によっては必要以上に低い姿勢を見せすぎる恐れもあります。アピールしたいニュアンスが合致するかどうかを確認してから使用するのが無難です。

「不十分な点もあるかもしれませんが」

「不十分」とは、「十分に満たされていない」という意味であり、「至らない点」と非常に近い表現です。
「不十分な点もあるかもしれませんが、ご指導のほどよろしくお願いいたします」のように書くと、「不足部分を指摘してほしい」「改善の余地があることを理解している」という感情をシンプルに伝えられます。

例文で見る「至らぬ点もあるかと存じますが」

例文1:新企画の提案時

この度、新たに開発しましたサービスの企画書を添付いたしました。
まだ検討段階の部分もあり、至らぬ点もあるかと存じますが、ご意見やご要望を伺いながら完成度を高めたいと思っております。
ご不明点などございましたら、お気軽にお知らせください。

ここでは、新企画の内容が完成形ではないこと、そして相手のフィードバックを積極的に求める姿勢を示しています。単に謝罪ではなく、協力を求める意味合いが強くなっているのがポイントです。

例文2:成果物提出後の報告

先日の打ち合わせをもとに修正を加えた資料をお送りいたします。
短期間での作成となりましたので、至らぬ点もあるかと存じますが、まずはご確認いただけますと幸いです。
修正や追加要望がございましたら、何なりとお申し付けください。

こちらは実際に資料やレポートなどを作成したあとに、相手にチェックしてもらうケース。完璧を期しているものの、見落としがあるかもしれないというニュアンスを含みつつ、再提出や追加作業を惜しまない立場を明確にしています。


まとめ

「至らぬ点もあるかと存じますが」は、自分の成果や提案が完璧ではない場合、相手に対して改善の余地を認めつつ協力や意見を求める表現です。ビジネスシーンでは、成果物の提出やプロジェクトの提案、挨拶文など、さまざまな状況で丁寧な姿勢を示す言い回しとして重宝します。 ただし、過剰に使いすぎたり、明確な改善策がないままに使ったりすると、相手に実力や意欲を疑われるリスクもあります。

表現を使う際には、そのあとに続く「次のステップ」をセットで提示することが大切です。「ご意見をお寄せください」「ぜひフィードバックをお願いします」といった形で、コミュニケーションの流れを円滑にすると効果的でしょう。

類義語として「不行き届きな点もあるかと存じますが」「拙いところがあるかと存じますが」「不十分な点もあるかもしれませんが」などを使い分けることで、表現にバリエーションを持たせられます。相手や場面に合わせて適切に使用し、謙虚さと改善意欲を両立したコミュニケーションを目指してください。

ForbesBrandVoice

人気記事