「2025年はAIにとって決定的な年となる」と、ザッカーバーグは同社が提供するSNSのThreads(スレッズ)の投稿で宣言し、新たな投資の大部分を大規模データセンターの構築に充てると説明した。
彼が明かした、最大650億ドルという投資額は、ファクトセットが集計したアナリスト予想平均である515億ドル(約8兆円)を大きく上回る。また、メタは昨年、AI関連の設備投資に380億ドル(約5兆9100億円)から400億ドル(約6兆2200億円)を投じたと見られており、今年の投資額はそこから大幅に増加することになる。
ザッカーバーグは、この投資の増額に伴い「AIチームを大幅に拡大する」と宣言した。彼はまた、メタの大規模言語モデル(LLM)のLlama(ラマ)4が「最先端のAIモデルとしてこの分野をリードする存在になる」と予測し、保有するエヌビディアの画像処理半導体(GPU)を年内に130万個に増やす予定だと説明した。
生成AIプログラムを支えるために設計されたエヌビディアのGPUは、イーロン・マスクが率いるxAI(エックスエーアイ)のGrokや、サム・アルトマンのOpenAIが開発するChatGPTなど、他のAIモデルの構築にも用いられている。
メタの株価は24日の市場で、ザッカーバーグの発表直後に一時1.6%高の646.90ドルをつけ、約1カ月半ぶりに最高値を更新した。同社の株価は、年初から8%以上上昇している。
ザッカーバーグが発表した今回の投資計画は、トランプ大統領が21日に発表した5000億ドル(約77兆7700億円)規模のAIインフラ事業、「スターゲート」の発表に続くものとなった。OpenAIを有利にすると見られるこのプロジェクトの発表は、xAIを率いるマスクの反発を引き起こし、マスクとアルトマンの長い確執を再び際立たせた。
メタがソーシャルメディア以外の分野に注力を開始したのは、2021年に社名をフェイスブックから改めた頃にさかのぼる。その当時、投資家は同社の先端テクノロジーへの莫大な投資に反発し、メタの株価は2022年に64%暴落した。しかし、その後は財務状況の改善とAI分野に対する投資家の熱狂が株価の回復を後押しした。
ザッカーバーグは、昨年11月の大統領選におけるトランプの勝利を受けて、会社のカルチャーを大きく転換した。彼は、プラットフォーム上のファクトチェックの取り組みを終了させたほか、同社が「男性的なエネルギーを失っている」と述べてDEI(多様性、公平性、包摂性)の取り組みを停止した。メタは、現在もなお収益の大半を広告事業から上げており、直近の四半期決算における収益の98%がSNS広告によるものだった。
保有資産が2200億ドル(約34兆円)とされるザッカーバーグは、テスラCEOのイーロン・マスクやアマゾン創業者のジェフ・ベゾス、オラクル会長のラリー・エリソンに次ぐ世界で4番目の富豪となっている。
(forbes.com 原文)