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経営・戦略

2025.01.27 11:30

台湾HTC、グーグルに「XR部門」の一部を売却へ 390億円で

バルセロナで開催されたMWC2024で、「HTC Vive」で没入型ゲームをする参加者(Charlie Perez/NurPhoto via Getty Images)

バルセロナで開催されたMWC2024で、「HTC Vive」で没入型ゲームをする参加者(Charlie Perez/NurPhoto via Getty Images)

台湾のHTCが、VR(仮想現実)ヘッドセットなどのXR(クロスリアリティ)部門の一部を米グーグルに2億5000万ドル(約390億円)で売却すると発表した。

台湾の上場企業であるHTCは1月23日の声明で、VRとAR(拡張現実)テクノロジーを含むXRチームの一部の社員をグーグルに移籍させる計画を明らかにしている。同社はさらに、XR関連の知的財産(IP)を非独占的ライセンスでグーグルに供与するとしている。この取引は、今年第1四半期中に完了する予定だとされている。

グーグルは、この取引によってヘッドセットやスマートグラス向けのAndroid XRプラットフォームの開発を加速させたい考えだ。同社は、HTCで「VIVE」などのVRデバイスを手がけたエンジニアたちが、非常に優れた技術チームだと述べている。

HTCがグーグルに事業の一部を売却するのは2度目のことで、2017年には、スマートフォン部門の一部をグーグルに11億ドル(約1700億円)で売却していた。この契約には当時、HTCがグーグルのPixel端末の開発に携わったスタッフをグーグルに移籍させることが含まれていた。

2016年に最初のVRヘッドセットを発売したHTCは、VRやARなどのXR分野に最も初期に参入した企業の一社だが、近年はアップルやメタなどの大手に遅れをとっている。

HTCはかつて、スマートフォン業界の主要なプレイヤーだったが、ここ10年ほどの間にアップルやサムスンに加えて、ファーウェイやシャオミなどの中国ブランドに市場を奪われた。HTCの創業者の王雪紅と陳文琦の夫妻は、2011年には保有資産88億ドル(約1兆3700億円)で台湾でトップの富豪となっていた。しかし、その後のスマートフォン事業の衰退により2人はビリオネアの地位を失った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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