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AI

2025.01.22 08:00

アドビが推進する生成AI画像の「明示化」、アップルとXは参加するのか

Matthias Balk/picture alliance via Getty Images

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アドビは、以前から生成AIを用いて作成した画像を見分けるための「Content Credentials(コンテンツ・クレデンシャル)」と呼ばれるイニシアチブを立ち上げている。同社の幹部は、アップルやX(旧ツイッター)が近くこの取り組みに参加することを期待していると述べている。

生成AIコンテンツの透明性を高めるためのこのイニシアチブは、AIが生成した画像の右上に「CR」のロゴを表示することで、消費者にその画像が現実ではないことを明確に伝えることを目的としている。

Content Credentialsは、アドビやグーグル、マイクロソフト、OpenAI、メタ、BBCなどのハイテク企業やメディア企業が参加する団体のC2PAによって管理されている。しかし、アップルやイーロン・マスクのXなど、いくつかの著名な企業がこのコンソーシアムに参加していない。

アドビの幹部でこの取り組みを推進しているアンディ・パーソンズは、グーグルのブラウザChromeに、CRロゴを表示する機能が組み込まれるのは時間の問題だと述べている。しかし、それを踏まえて彼は「もっと広範囲で目に見える採用が進むことを期待している」と述べている。

パーソンズは、先日ラスベガスで開催されたCES 2025のブリーフィングで、「消費者がContent Credentialsのアイコンを認識し、著作権記号のように広く認知されるものになるのが理想だ」と語っていた。しかし、CRロゴをより一般的なものにするためには、ブラウザ市場の約5分の1を占めるSafariを所有するアップルの参加が欠かせないと指摘されている。

「私たちは、アップルがこの取り組みに参加することを望んでいる。彼らは、このコンソーシアムに参加していないが、今年中に状況が変わるかもしれない」とパーソンズは述べている。

彼はまた、アップルがAIコンテンツを識別するための独自の基準を作成しないことを願っていると強調した。「時間が経てば、アップルもこの意見に同意すると期待しているが、どうなるか見てみよう」とパーソンズは語った。

マスクのXは参加するか?

もう1つの注目すべき欠席者はXだ。マスクが運営するこのプラットフォームには、独自の画像生成AI「Grok」があるが、物議を醸すテーマで描かれる画像の生成を防ぐ努力をしていない。

Grokで画像を生成してXに投稿する場合は、その画像がGrokを用いたものであることを示すテキストが自動で投稿に追加されるものの、それを簡単に削除できる。また、画像をダウンロードするとメタデータに「x.com」が画像の作成元として記載されるが、それは、他のユーザーがすぐに確認できるものではない。

パーソンズは、昨年ロンドンで開催されたAIカンファレンスで、マスクに直接この問題について尋ねたという。

「英国のスナク首相(当時)がカンファレンスの終了間際に私を指名し、私は、イーロンに、『コンテンツに署名をつけて、それがどこから来て誰が投稿したものかを判断できる方法があれば、Xにとって良いことにならないか』と尋ねた。するとマスクは、一瞬考えた後に『良いアイデアのようだ。それをやるべきだ』と短く回答した」と彼は述べている。

パーソンズは、Xがコンソーシアムに参加することを「希望的に考え、楽観視している」と述べたが、「彼らは、現時点ではメンバーではない」と付け加えた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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