グーグルの元CEOのエリック・シュミット(69)が、数カ月前から生成AIを動画に活用するプロジェクトに取り組んでいることが明るみに出た。このスタートアップは、これまで報じられていなかったが、関係筋やフォーブスが確認した資料によると、
Hooglee(フーグリー)という名称で昨年設立され、シュミットのファミリーオフィスであるHillspire(ヒルスパイア)が資金を提供している。
人工知能(AI)分野に強い影響力を持つビリオネアのシュミットは、AIの可能性と危険性について、時に議論を呼ぶ発言を行っている。彼は、このテクノロジーが「人々の生産性を倍増させる」と主張する一方で、「核兵器を置き換えるものになる」とも述べており、昨年12月には「AIの能力が高まり過ぎた結果、我々はそのスイッチを切ることを検討する必要がある」と発言していた。
しかし今から数カ月前に、シュミットと少数の仲間は密かに「AIを用いた動画の生成を民主化する」というミッションを掲げたHoogleeを立ち上げている。同社の1ページのみの
ウェブサイトは、シュミットやスタッフの名前を記載していないが、事業の目的を「人々の関係を親密にして、コミュニケーションを簡素化し、エンゲージメントを向上させる革新的なソリューションを創造すること」と説明している。
シュミットは、このプロジェクトにグーグルのムーンショットラボ(一見不可能に思われる革新的な構想の現実化に取り組む研究所)の共同設立者であるセバスチャン・スランを起用した。スランはまた、現在は廃業した電動垂直離着陸(eVTOL)機の航空会社のキティホークを立ち上げたほか、シュミットの
軍事用ドローンのプロジェクトの「プロジェクト・イーグル」に関与していることでも知られている。