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マーケット

2025.01.16 10:00

【米国株ウォッチ】O157集団感染で苦しむ米マクドナルド、巻き返しの一手は?

Mario Tama/Getty Images

値上げは同社の戦略の重要な部分であり、インフレコストを相殺する方法であった。しかし、全体的な需要に影響を与えずに値上げを行うことは難しい。マクドナルドも、2024年におけるメニューの値上げにより消費者の反発が始まっていることを示唆している。同社の顧客は低所得者層の比率が高いため、将来的に高くなった価格が問題となる可能性がある。同社は、すべての主要市場(米国、英国、オーストラリア、ドイツ、カナダおよび日本)において、来客数の減速という逆風に直面している。実際、同社は米国事業における来客数が2024年通年でマイナスになると予想している。これは見過ごしてはならない警告のサインだ。

しかし、長期的には、同社が推進するデジタル化と宅配への積極的な取り組み、豊富な手元資金、そして厳しい経済環境にも適応し、世界中で文化的に適切なメニューを維持する能力により、同社の業績が回復する可能性は大いにある。マクドナルド株は現在、予想利益の25倍で取引されており、これは過去5年間における平均PER(株価収益率)である28倍を下回っている。この相対的に低いバリュエーションは、株価が長期的に成長する可能性があることを示唆している。

株価動向と目標株価

私たちは、2024年度におけるマクドナルドの年間収益が、前年比3%増の262億ドル(約4兆1000億円)になると予想する。収益と利益の予想を見直したことを踏まえ、目標株価も294ドルに修正した。これは、予想EPS(1株あたりの純利益)を11.81ドル、2024年度のPERを24.9倍として算出したものだ。

過去4年間におけるマクドナルド株の上昇は一貫しているとは言い難いが、その年間リターンはS&P500よりもかなり変動が少ない。マクドナルド株の年間リターンは、2021年は28%、2022年は1%、2023年は15%、2024年は0%だった。

マクドナルドの経営陣は第4四半期の業績見通しの開示をスキップしており、投資家の関心は既存店売上高の伸び、特に海外売上高の伸びに移った。同社の成功は現在、デジタル戦略の効果的な実行と、市場の課題を乗り切るための革新的なメニュー提供にかかっている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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