「世界一周航空券」をご存じだろうか。世界中の航空会社間の連合組織、航空アライアンス(航空連合)の空港圏内で、くるりと世界一周するようにルートを組むことができ、ワンセットで購入すると格安で飛行機に乗ることが可能なチケットのことだ。例えば世界規模の航空連合のひとつ、「ワンワールド」の世界一周航空券の場合、JAL、ブリティッシュエアウェイズ、アメリカン航空などを乗り継ぐことができる。
本稿では、そんな世界一周チケットの魅力について、1級フィナンシャル・プランニング技能士であり、『やってはいけない「ひとりマンション」の買い方』(青春新書)や『マンガでカンタン!NISA・iDeCoは7日間でわかります。』(Gakken)など約30冊の書籍を手がける風呂内亜矢氏が、パートナーとの体験・知見を共有してくれた。なお、世界一周航空券を使った旅の様子はYouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」でも公開されている。
世界一周旅行を専門とする旅行会社も
私たち夫婦は2023年5月16日(火)から7月8日(土)の54日間、「世界一周航空券」を使って約2カ月の旅行に出かけました。
世界一周航空券とは、航空会社の連合組織単位で発券している航空券のことで、連合組織内の航空会社を複数組み合わせて世界をぐるっと一周する組み合わせをワンパックで購入する航空券のことです。普段、航空チケットを手配する際、直行便より乗り継ぎ便が安いことがありますが、その発展版でぐるっと世界一周する形で購入すると、格安に飛行機に乗れるというものをイメージしていただくと良いと思います。
大西洋と太平洋を1回ずつ横断すること、大陸レベルでの逆走はできないこと、ある大陸での途中下車は3回までなど、選択する世界一周航空券の種類によるルールや細かな違いがありますが、ルールに則った航路を組み合わせることができれば、かなりお得に飛行機に乗ることができます。
世界一周航空券については世界一周旅行を専門とする旅行会社「世界一周堂」のサイトや、いくつか特化した書籍がでているため、それらも併用してみていただく方が良いかも知れません。
日本に住んでいる人の一般的な選択肢としては、JALが所属するワンワールドの世界一周航空券か、ANAが所属するスターアライアンスの世界一周航空券の大きく2択になります。デルタ航空などが所属するスカイチームも以前は世界一周航空券を発行していましたが、現在は販売していないようです。
世界一周航空券自身は新しい商品ではなく、私も20年くらい前に知人が利用したこともあり、その存在を知っていました。人によってはいったん中断して帰国して、また別のタイミングで続きの旅を楽しむという人もいるそうです。このチケットは1年以内に戻ってくる行程を組まないといけないため、例えば、夏休みに東京からアジア諸国を周遊して、いったん帰国(この時の帰国便と中断したアジアの都市に戻る便は別途手配)。年末年始のお休みで中断したアジアの都市に戻って、ヨーロッパ、アメリカと巡って帰国するという形などで利用する人もいるようです。