AI

2025.01.07 11:30

AIエージェントの登場で「やっと」SiriとAlexaが本当に役立つものになる可能性

DenPhotos / Shutterstock.com

「AIが信頼に足るものだと人々を説得するのは非常に難しい。私はSiriを、自分が間違えないとわかっている些細なことにしか使っていない」とチウは述べている。
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しかし、彼女は最近の音声AIの進歩が他のかたちで消費者を助けると考えている。例えば、より多くのアプリが音声機能を統合するようになれば、応答スピードの改善や自然言語の理解の向上により、アプリに指示を与えるだけでその指示が実行されるようになるとチウは述べた。例えば、Eコマースアプリに「サイズが合わない靴を返品したい」と伝えるだけで返品処理が済むようになるかもしれない。

再び脚光を浴びるスマートグラス

一方、AIと音声テクノロジーの進化は、シリコンバレーが長年、試行錯誤を重ねたハードウェアの野心を解き放つ可能性もある。グーグルが10年以上前に発表したスマートグラスのGoogle Glassは、プライバシーに対する懸念を引き起こし、実用性も低かったことで大失敗となったが、同社は先日、AIエージェント向けの新たなプラットフォーム「Project Astra(プロジェクト・アストラ)」と連動して使用する新たなメガネ型デバイスの試作品を発表した。

このデバイスは、リアルタイムで周囲の情報を提供することを目的としたもので、デモ動画には、装着者が道路沿いの彫刻に目を向けると、その情報を提供したり、ビルの入口の認証デバイスの暗証番号を、メールの受信箱から探り出して教えるなどのタスクをこなす場面が含まれていた。

一方、メタが発表したスマートグラスのOrionは、音声と手のジェスチャーの組み合わせで操作するAIツールで、キッチンの棚にある食材を確認して、それを使ったレシピを探すなどの機能を備えている。
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音声ベースのイノベーションは、体が不自由な人々にとっても役立つもので、若い世代の間でこれまで以上に好まれている。YouGovとVoxの調査によると、米国の18~29歳の42%が、少なくとも週に一度はチャットアプリでボイスメッセージを送っている。

AIの新たな進歩は音声ツールの普及をさらに後押しし、人々のテクノロジーとの関わり方を変える可能性がある。「音声エージェントとボイスは、これまでのコンピューティングで未開拓だった新たなユーザーインターフェースになるはずだ」とジャンは語っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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