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2025.01.01 08:45

駅伝秘話! 東洋大学から広まった「起死回生の魚コラーゲン」物語

東洋大学酒井俊幸監督(右)と、焼津市のダイトー水産・齋藤啓治郎社長

プロ陸上競技選手の楠康成夫妻と、ダイトー水産の齋藤啓治郎社長

プロ陸上競技選手の楠康成夫妻と、ダイトー水産の齋藤啓治郎社長


ダイトー水産、一世一代の賭け

家業としてビジネスをつなぐ場合、それぞれの世代で経営テーマが課されるものだ。
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例えば、トヨタ自動車の場合は、創業者の豊田佐吉の自動織機に始まり、喜一郎の自動車、章一郎の家、そして現会長の豊田章男は自動運転やEVへの変革に取り組んでいる。

創業家のサントリーも同じく、鳥井信治郎がウイスキーを始め、佐治敬三がビール、鳥井信一郎が飲料を成長させ、佐治信忠がグローバル化を果たした。

企業の規模こそ違えど、先代が守ってきた会社を時代に合わせて変化させ、次世代に「つなぐ」ことが創業家ビジネスの基本だ。
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ダイトー水産の場合、現在の齋藤啓治郎社長は、外部環境に左右されにくいビジネスとして、コラーゲン事業を立ち上げた。

「漁獲量や加工賃が気になる不安な毎日から、早く脱したい。そんな思いで、水産加工以外のビジネスをずっと模索してきました。そんな中、かつて勤めていた水産商社の先輩にまぐろコラーゲンの可能性を教えてもらった。『これしかない!』と思い、藁にもすがる思いで参入しました」(齋藤社長)

しかし、コラーゲン事業への参入は一筋縄ではいかなかった。

新規事業のスタートには投資も必要だが、その間もジリジリと水産加工のビジネスは先細っていくことが予想され、共倒れになるリスクがあったからだ。

それでも、齋藤社長は賭けに出た。



この記事の続きは、後編の「駅伝秘話! 逆風の水産加工業が生んだ「起死回生の魚コラーゲン」」にて1月2日に公開します。

文 =泉秀一(ノンフィクションライター)

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