それでは、海外で過ごすという人に人気の旅行先はどこだろうか。デジタル旅行プラットフォーム大手であるブッキング・ドットコムの調査によると、2024年〜25年の年末年始に日本人旅行者が検索した海外旅行先の1位はタイとなった。同社が2024年11月3日から10日までの期間に収集した、12月31日チェックインの宿泊施設検索データをもとに分析した。
タイや台湾などアジアの国・地域が上位を独占
年末年始に日本人旅行者の人気を集めた海外旅行先として、近場のアジアと東南アジアの強さが際立っている。1位のタイに加え、2位の台湾、3位の韓国、4位のベトナム、7位の香港といった国や地域が上位にランクインした。短期間で比較的費用がかからずに行けることが影響しているといえる。特にタイとベトナムについては、12月から2月にかけて乾季となり、観光に適した気候条件が整っていることも理由に挙げられる。例えばタイの場合、最高気温は30度前後まで上がるものの、この時期はほとんど雨が降らず過ごしやすい。ベトナムも同様に、特に南部は乾季で晴天が続き、観光に適した気候となっている。
一方、台湾や韓国は、日本からの近さが強みとなっている。短時間のフライトで到着できることから、限られた休暇日数でも余裕を持った旅を楽しむことができる。また台湾は、年間を通じて日本よりも温暖な気候であり、冬場でも比較的過ごしやすい環境にあることでも人気が高い。
長期休暇を活かした欧州旅行も人気に
今年の年末年始は最大9連休となることから、より遠方への旅行を計画する動きも出てきている。6位のフランスや9位のイタリア、10位のイギリスといったヨーロッパ方面や、8位のオーストラリアといった国々への関心が高まっているのは、長期休暇を有効活用しようとする動きの表れと見ることができるだろう。
この年末年始の人気の旅行先は、比較的短期・低予算で行けるアジアと、長期で費用をかけるヨーロッパ等の遠方に分かれる二極化傾向となっている。日本経済の不透明さや揺れ動く国際情勢などの影響もあり、今後の海外旅行の動向も変化が続きそうだ。