宇宙

2024.11.20 10:30

「流れ星」の真の故郷 隕石の起源、9割以上を特定

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「流れ星」はどこからやって来るのか。隕石が地球の大気圏に飛び込んで大気と衝突すると発光し、流星となることはわかっている。だが、そもそも隕石の起源がどこかという問題は、長く研究者たちの頭を悩ませてきた。

地球上ではこれまでに約7万個の隕石が発見されている。最新の研究の成果で、そのうち90%以上の起源が特定された。フランス国立科学研究センター(CNRS)、欧州南天天文台(ESO)、チェコ・カレル大学の研究者らが率いる国際チームは、地球上で見つかった隕石の70%が、たった3つの比較的若い小惑星族から飛来していることを突き止めた。

これまで起源が明確に特定されていた隕石は6%のみで、それぞれ月、火星、または小惑星帯最大級の天体である小惑星ベスタが母天体と判明している。

流星群と隕石

すべての流星群は、太陽系内に漂う塵や天体の破片などの流星物質が地球の大気に突入した結果生じる現象だ。一般的に、彗星が太陽系を通過する際に軌道上に放出した塵が元となっていることが多い。たとえば、毎年8月13日ごろに極大を迎える有名なペルセウス座流星群は、スイフト・タットル彗星を母天体としている。一方、12月14日ごろに極大となるふたご座流星群の母天体は、小惑星(3200)フェートン(ファエトン)である。

これとは別に、隕石が地球軌道とぶつかり、地球の引力に捕まって地上に降ってくる場合にも、流れ星となる。

3つの小惑星族

今回の研究では、こうして地上に落下してきて発見された隕石の70%がカリン族、コロニス族、マッサリア族という3つの若い小惑星族に由来することが特定された。カリン族は約580万年前、コロニス族は750万年前に小惑星帯で起きた衝突によって形成され、マッサリア族でも4000万年前に大きな衝突があったとされる。

若い小惑星族には、衝突の際に残された多くの小さな破片が含まれている。地球に落下する隕石の多くは、鉄、マグネシウム、ケイ素、酸素を主成分とする岩石質の「普通コンドライト」である。

球状の粒子を含む石質隕石の一種コンドライト(Shutterstock.com)

球状の粒子を含む隕石、普通コンドライト(Shutterstock.com)

研究チームは、火星と木星の間にある小惑星帯(メインベルト)にある主要な小惑星族すべてについて組成を調査し、コンピューターシミュレーションによって、各主要小惑星族がどのように衝突・進化してきたかをひも解いた。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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