宇宙

2024.11.03 16:00

「今年最後のスーパームーン」が輝き、宵の明星と三日月が寄り添う11月の夜空

Getty Images

北半球の中緯度地域では、11月に入ると寒さも暗さもぐっと増すが、これは星を愛する人々にとってはちょっとした福音でもある。日が沈んだ後、東の空に顔を出すプレアデス星団(すばる)は、冬の星座たちの先触れ役だ。程なく後を追って、おうし座、オリオン座、ふたご座などが姿を見せる。

今月はまた、「スーパームーン」の月の出や、土星の観測、三日月と金星の美しい共演も楽しめる。2024年11月の夜空の見どころを紹介する。

宵の明星と細い月が寄り添う

時期:11月4日(月)~6日(水)の日没後
方角:西の空

金星は今、夕空にひときわ明るく輝く「宵の明星」として存在感を増している。今月初めには3日間にわたり、細い月と日没直後の西の空で寄り添う様子が拝める。4日の月は金星の下方に位置するが、非常に細く、地平線の開けた場所でないと見つけにくいだろう。5日には月と金星が並び、6日になると金星の上方に月が離れていくが、高度は上がるので見やすくなる。

オーロラに期待

時期:11月中の日没後(可能性あり)
方角:北半球の全天

ポーランドのバルト海沿岸で2024年5月10日に撮影されたオーロラ(Patryk Kosmider / Shutterstock.com)

ポーランドのバルト海沿岸で2024年5月10日に撮影されたオーロラ(Patryk Kosmider / Shutterstock.com)

太陽の活動が23年間で最も活発な「極大期」に入っているため、強い太陽風が頻繁に地球に吹き付け、地球の磁気圏で磁気嵐が発生しやすくなっている。そのため、通常よりも低緯度の地域でオーロラが出現する可能性が高い。オーロラ予報に注目しておきたい。

土星と月が並ぶ

時期:11月11日(月)の日没後
方角:南の空

明るさでは木星に負けるものの、土星が月と並んで光る姿は、ここ数カ月間連続で見られる現象だ。今月も、上弦を過ぎて少しふっくらした月と土星が接近する。11日の日の入り後に南の空を見上げると、月の右側に土星が見えるはずだ。

スーパー・ビーバームーン

時期:11月16日(土)の月の出
方角:東北東

今年12回訪れる満月も、いよいよ最後から2番目となった。11月の満月は、冬に備えてビーバーが巣作りを始め、その毛皮を目的に先住民が狩猟を行うことにちなんで「ビーバームーン」と呼ばれる。「フロストムーン(霜月)」や、冬至前の最後の満月をさす「モーニングムーン」という呼称もある。

プレアデス星団(すばる)

おうし座のプレアデス星団、和名「すばる」(Shutterstock.com)

おうし座のプレアデス星団、和名「すばる」(Shutterstock.com)

時期:11月中の日没後
方角:東の空

おうし座のプレアデス星団(M45、和名「すばる」)は、夜空でも指折りの美しい天体として天文ファンに人気だが、実は北米では一般的な知名度はあまり高くない。太陽系に最も近い散開星団で、地球から約444光年の距離にあり、ギリシャ神話に登場する7人姉妹にちなんで英語で「セブンシスターズ」と呼ばれる。7つの主要な明るい星は、アルキオネ、アトラス、エレクトラ、マイア、メローペ、タイゲタ、プレイオネと名づけられている。

今後1週間は毎晩、日没後に東の空を見れば肉眼ですぐに見つかる。正面から見ると、明るい星々が小さなひしゃく型に並んでいるのがわかる。少し横目になってみると、目の端にきらきらと星屑が光っていちばん美しく見えるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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