「伺わせていただきます」は間違い?正しい敬語とは
「伺わせていただきます」という表現は、よくビジネスシーンで使われますが、実は誤った敬語です。この表現は「伺う」と「させていただく」という二つの謙譲語が重なった二重敬語に該当します。二重敬語は、過剰に敬意を示すことで回りくどく、不自然な印象を与えてしまうため、適切な表現ではありません。
「伺わせていただきます」はなぜ間違いか
「伺わせていただきます」という表現が間違いである理由は、敬語表現の過剰使用にあります。「伺う」は「訪問する」や「聞く」の謙譲語であり、これに「させていただく」を加えることで、同じ意味の敬語が二重に使われてしまっています。これが二重敬語の典型的な例です。正しい敬語表現を使うためには、シンプルに「伺います」とするのが適切です。
「伺います」が正しい敬語表現
「伺います」は「伺う」という謙譲語に丁寧語「ます」を加えた表現です。この組み合わせは二重敬語にはならず、ビジネスシーンで広く使われています。目上の人や取引先に対して、自分が訪問することを丁寧に伝える際に適切な表現です。
正しい敬語表現の例文
ここで「伺います」を使った例文をいくつか紹介します。
「明日の午後3時に御社に伺います。」
「お話を伺いたいことがございます。」
「次の週末にお伺いする予定です。」
これらの例文では、正しい敬語表現を使い、丁寧に相手に伝えることができています。「伺う」という謙譲語は、自分をへりくだり相手を立てる言葉であり、ビジネスシーンではよく使われる表現です。
「伺わせていただきます」を使うシーンでの正しい言い換え
「伺わせていただきます」を使いたくなる場面は多いですが、シーンごとに正しい表現を使うことが求められます。以下に、ビジネスシーンでの使い方を例にとって解説します。
「訪問する」という意味での使い方
取引先やお客様を訪問する際は、次のように表現します。
「明日、午後3時に御社に伺います。」
この表現は、訪問する予定を丁寧に伝える際に使います。「伺います」という表現を使うことで、相手に対して礼儀正しい印象を与えることができます。
「聞く」という意味での使い方
何かを尋ねたり聞いたりする際には、次のような表現が適切です。
「お話を伺いたいことがございます。」
この場合、「伺う」は「聞く」という意味で使われ、相手の話を丁寧に聞く姿勢を示す表現です。ビジネスの場では、特に上司や取引先に対してこの表現がよく使われます。
訪問の許可を求める際の表現
訪問する時間が相手に都合がよいかを尋ねる場合には、次のように表現します。
「明日、午後3時に伺ってもよろしいでしょうか?」
この表現では、相手に確認を取る際に使います。「伺ってもよろしいでしょうか」という言い回しで、相手の都合を尊重しつつ、自分の意向を丁寧に伝えることができます。
間違えやすい二重敬語の例と正しい表現
ビジネスシーンで、他にも二重敬語に気をつけたい表現があります。以下に、いくつかの誤った敬語表現とその正しい言い方を紹介します。
「伺わせていただきます」の代わりに「伺います」
「伺わせていただきます」は二重敬語のため、正しくは「伺います」です。これは、自分が訪問する際に使う適切な表現です。
「おっしゃられた」の代わりに「おっしゃった」
「おっしゃられた」という表現は、尊敬語「おっしゃる」にさらに「られる」を重ねた二重敬語です。正しくは「おっしゃった」です。
「ご覧になられた」の代わりに「ご覧になった」
「ご覧になられた」も同様に、二重敬語です。正しい表現は「ご覧になった」です。
ビジネスシーンで正しい敬語を使う重要性
ビジネスの場では、敬語の使い方一つで相手に与える印象が大きく変わります。二重敬語や誤った表現を使うと、相手に不自然さを感じさせ、場合によっては失礼にあたることもあります。そのため、適切な敬語表現を使うことが非常に重要です。
メールや口頭での敬語使用時のポイント
メールや電話など、直接のコミュニケーション以外でも、敬語を正しく使うことは大切です。特に、文章では意味が伝わりにくいため、過度に敬語を重ねないように注意しましょう。正しい敬語を使うことで、相手との信頼関係を築くことができます。
まとめ
「伺わせていただきます」は二重敬語であり、ビジネスシーンでは誤りです。正しい表現は「伺います」であり、訪問や質問、確認を丁寧に伝える際に使います。ビジネスの場で正しい敬語を使うことで、相手に対して礼儀正しい印象を与えるだけでなく、信頼関係を築くことができます。
敬語の使い方を見直し、適切な表現を心がけましょう。