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2024.10.21 09:00

エヌビディア株にまだ十分な上昇余地、バンク・オブ・アメリカ主張

バンク・オブ・アメリカが挙げる他の好材料として、エヌビディアの利益率が同業他社を大きく上回っていることがある。今後2年間のフリーキャッシュフローマージン(FCF、収益に対して企業がどれくらいの現金を自由に使えるか)は約50%と予測され、これは他の5つの1兆ドル(約149兆円)クラスの米国テクノロジー大手の平均の2倍に相当する。また、カスタムGPUの販売以外に「過小評価されている」収入源として、コンサルティング企業アクセンチュアやマイクロソフトとの有利なパートナーシップも挙げられる。

バンク・オブ・アメリカのアナリストが設定した190ドル(約2万8400円)の目標株価によって示唆されるエヌビディアの時価総額は4兆7000億ドル(約702兆7400億円)だ。これは上場企業の市場価値の最高記録であるアップルの3兆6000億ドル(約538兆2700億円)を大幅に上回る。

エヌビディアは時価総額3兆4000億ドル(約508兆3700億円)で、世界で2番目に価値のある企業だ。この評価額は10年前の約100億ドル(約1兆5000億円)から、そしてわずか2年前の3000億ドル(約44兆8600億円)弱の時価総額から大きく飛躍したものだ。エヌビディアの株価上昇は、2022年後半にリリースされたOpenAIの生成AIチャットボット「ChatGPT」の登場が引きがねとなった。これらのAIアプリケーションの基盤にエヌビディアのGPUが使われていることが同社の収益を急増させた要因となっている。

エヌビディアの売上高と純利益は、2022年の同時期と比較して7月までの四半期でそれぞれ350%と2400%増加した。もともとビデオゲームのグラフィックス技術で知られていたエヌビディアは、現在も創業者であるCEOのジェンスン・フアンによって率いられており、フォーブスの計算によると、会社の3%の株式を保有するフアンは世界で11番目の富豪となっている。一般的な評価指標によると、エヌビディアの株価はファンダメンタルズに比べて割高で、S&P500の中で過去12カ月の売上高に対する時価総額の比率(株価売上高倍率)が2番目に高い。しかし、フアンが「感情的」で「常軌を逸した」と表現するエヌビディア製品への需要によって、多くの投資家は依然として強気を維持している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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