同社の収益は1桁台前半の成長率が見込まれるものの、最終利益はリストラなどの影響により1桁台半ばの成長率となるだろう。
Q1決算を左右するトレンド
今回のQ1決算では、販売数量が小幅に増加したことを背景に収益も若干の伸びが予想される。シェービング関連製品を展開する「グルーミング」部門はこのところ他の部門よりも比較的好調で、この傾向はQ1決算でも続くだろう。グルーミング部門は引き続き販売価格の上昇により好調が見込まれる一方で、「ベビーケア」部門では市場シェアが引き続き低下しており、収益は落ち込むだろう。P&Gは市場ポートフォリオの再構築を進めており、これが全体的な利益率に影響を与えると予想される。P&Gは、Q1決算にて為替差損累計額として7億5000万ドル(約1120億円)の費用計上を見込んでいる。それでも、自社株買いによる発行済み株式数の減少により、EPSは収益を上回る成長が見込まれる。同社は引き続き、2025年度にも60億ドル(約8968億円)から70億ドル(約1兆463億円)規模の自社株買いを計画している。
直近の決算動向
2024年度第4四半期の収益は、前年同期と比べほぼ横ばいの205億ドル(約3兆650億円)であった。これは、それぞれ1%ほどの販売価格の上昇と販売数量の増加による増収分が、約2%の為替による減収要因により相殺されたためである。事業セグメント別の収益では、グルーミング部門が7%増、ヘルスケア部門が4%増、ビューティ部門が3%増、ファブリック&ホームケア部門が2%増となった。一方、ベビー&フェミニン&ファミリーケアは既存事業ベースで1%の減収となっている。第4四半期におけるコア営業利益率は約1ポイント悪化した19.3%であったが、これは主に為替変動の影響と販管費の増加による。収益は横ばいで、利益率は悪化したものの、自社株買いによる発行済み株式総数が0.5%減少したため、EPSは1.40ドルと、前年同期の1.37ドルからわずかに増加した。
目標株価
P&G株は今年に入ってから20%上昇しており、S&P500種株価指数の上昇率とほぼ一致している。しかし、ここ数年間のP&Gの年間リターンは、S&P500よりかなり変動が少ない。私たちはP&G株の目標株価を米国時間10月16日現在の株価(約172ドル)に近い170ドルとしている。この目標株価は、PER(株価収益率)を24倍とし、2025年度通期の調整後EPSを7.00ドルとして算出したものだ。PER24倍という数字は、過去4年間における平均を使用した。
(forbes.com原文)