管理職は、もともと気の弱い人向けの仕事ではなかったが、今ではその難しさがさらに増している。Leapsomeの最新データによれば、米国では多くのマネージャーが厳しい状況に置かれている。昨年と比較すると以下のような変化が見られるという。
・上級管理職の81%が「担当する部下の数が増加した」と回答
・マネージャーの71%が「昨年よりも業務量が増加した」と回答
・10人中6人のマネージャーが「圧倒されている」と感じている
・50%以上のマネージャーが「精神的な健康が悪化した」と報告した
「グレート・アンボシング(Great Unbossing、中間管理職の削減により、チーム構造をより分散的にする動き)」により、多くの管理職が解雇され、その結果、残ったマネージャーに大きな負担がかかっている。このようなプレッシャーの増大により、リーダーたちの精神的健康が悪化しているのも当然である。
今年の初め、私は「マネージャーになりたくない」と考える従業員の増加について報告した。現職のリーダーシップの役割が魅力を失っているのは明らかである。ここでは、現在の(そして将来の)マネージャーたちに悪影響を及ぼしている主な4つの理由を紹介する。
1. 業務量の増加
マネージャーが辞めたり解雇されたりしても、その業務がなくなるわけではない。代わりに、他のマネージャーに再配分され、彼らの既存の責任に上乗せされるのだ。教育の世界では、これを「生き残った者を潰す(killing the survivors)」と呼ぶ。教師が職を去ると、残った教師がその分の仕事を引き受けなければならない。しかし、教育業界に新たな人材が入ってこないため、こうした負担は軽減されず、結果として最も熱心で情熱を持った教育者たちが燃え尽きてしまう。状況は改善していない。
ビジネスの世界でも同様の動きが見られる。増加する部下の数や責任は、確かにマネージャーが感じるプレッシャーの主要な要因であるが、他にも影響を及ぼしている要因が存在する。
2. コミュニケーションの欠如
健全な職場文化の要として「良好なコミュニケーション」が強調されているが、十分な実現には至っていないのが現実だ。Staffbaseの最近の調査によると、マネージャーのうち自社の目標に「非常に詳しい」または「ある程度詳しい」と答えたのはわずか49%だった。これは、社内のコミュニケーションにシステム的な問題があることを示している。また、退職を検討している従業員の61%が、社内コミュニケーションの不備を理由に挙げており、そのうち26%が「主要な不満の要因」としている。
Staffbaseの調査によれば、従業員が最も信頼している情報源は直属の上司であり、そのため彼らは健全な職場文化を築く上で欠かせない存在である。しかし、中間管理職は知らない情報を伝えることはできない。良好な社内コミュニケーションは、まず経営層から始めるべきなのだ。