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宇宙

2024.09.23 17:00

地球に期間限定の「第2の月」誕生 9月29日から2カ月間

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まもなく地球に「第2の月」ができそうだ。2024年9月29日から約2カ月間、地球近傍小惑星(NEA)「2024 PT5」が地球の重力に引き寄せられて、一時的に地球の衛星となるという。その後はまた地球周回軌道から離れ、太陽を周回する元の軌道に戻るとみられている。

新たに出現するこの「小さな月」について知っておくべきことをまとめた。

「ミニムーン」2024 PT5とは?

2024 PT5は、地球に接近する軌道を持つ小惑星(地球近傍小惑星)だ。直径は11mで、キリン2頭ぶんほど。地球とよく似た公転軌道の小惑星グループ「アルジュナ群」に分類されている。米国天文学会(AAS)の学術誌Research Notes of the AASに今月掲載された研究論文で、初めてその存在が明らかになった。

遅い相対速度で地球に接近して9月29日に地球周回軌道に入り、11月25日に離脱する。太陽周回軌道に戻った後も、2025年1月9日に再び地球に大接近するという。

研究によれば、地球近傍小惑星はたびたび地球の重力に捕まり、周回軌道に引き込まれて「ミニムーン(小さな月)」となる。研究者らは、こうしたミニムーンを「一時的に捕捉されたフライバイ天体」と呼んでいる。

ミニムーン「2024 PT5」は今どこに?

天文情報サイトTheSkyLiveによると、2024 PT5は現在、地球から約300万km離れたところにあり、北半球の北の空に輝くりゅう座に位置している。

私たちが2024 PT5を見ることができるかといえば、それは難しい。明るさは22等級と非常に暗く、肉眼ではもちろん、高性能な家庭用天体望遠鏡でも見えない。プロ向けの30インチ大口径望遠鏡を使える天文学者だけが、このミニムーンを観測できるだろう。

ミニムーン「2024 PT5」はどこから来た?

2024 PT5を含む地球近傍小惑星は一般的に、火星と木星の軌道の間にある「主小惑星帯」からやってくると考えられている。中でも2024 PT5は、地球と似た軌道で太陽を公転するアルジュナ小惑星帯に属しており、地球に対する相対速度が遅いため、地球の重力に捕まって一時的に地球の周回軌道に入る。

2024 PT5は2024年8月7日、南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって発見された。ATLASは、今月末に到来する肉眼で見える「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」も発見している。

地球の「月」は他にも

地球の周りを常に公転している衛星は月だけだが、準衛星は存在する。その1つが「カモオアレワ(Kamo'oalewa)」で、地球と1:1の軌道共鳴の状態にあり、同期して動いているため、実際には太陽を公転しているにもかかわらず、地球からは地球を周回しているように見える。

カモオアレワとは、ハワイの言葉で「揺れ動く天体」を意味する。仮符号は「2016 HO3」。直径は約40~100mで、米ニューヨークの自由の女神像とほぼ同じ大きさである。2016年に発見された。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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