認知症などの神経疾患の早期薬研や予防に関する事業を展開する筑波大学発の医療スタートアップMCBIは、筑波大学、創知会メモリークリニックとりで、伊藤園と共同で、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)と、傍目にはわからないが本人が認知機能の低下を感じている主観的日機能低下(SCD)の高齢者を対象に抹茶の認知機能低下抑制効果を評価する試験を行った。
抹茶には、ストレス緩和と睡眠改善に効果があるテアニン、血中コレステロールの低下、体脂肪の低下に効果があるカテキン、そして双方にワーキングメモリーを改善する効果があるとされる。これらの効果を確かめるために、被験者には抹茶を1日2グラムずつ半年間摂取してもらい、後に認知機能、睡眠調査、血中バイオマーカー測定、脳イメージングなどの検査を実施した。
すると、60歳から85歳の被験者のうち、MCIおよびSCDと診断された99人は、表情認知テストで社会的認知力が有意に改善されていることがわかった。また睡眠の質も向上していた。社会的認知力は、高齢者以外にも、コミュニケーション能力、日常生活、社会参加において重要とされている。もちろん睡眠の質の重要性は万人に共通だ。
抹茶2グラムは、茶会で供される薄茶1杯の量。お茶室で静かにお点前をいただけば、いいマインドフルネスにもなる。ただ、毎日お茶室に足を運ぶのは大変なので、自己流でも自宅でお茶を点ててみてはどうだろう。もちろん、抹茶ドリンクを飲むだけでも認知機能と睡眠の質への効果は期待できる。
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