EV化よりもリマニ 日本の強みを活かせるCO2削減術

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リサイクルでもリユースでもない、リマニュファクチャリング(リマニ)のCO2削減効果が高い。ガソリンエンジン車の部品の半分をリマニにすれば、5年間乗ってもEVよりもライフサイクルのCO2排出量は少なくなるとの調査結果が公表された。

リマニとは、たとえば廃車になった自動車のまだ使える部品を取り出して、きれいにオーバーホールして利用することを言う(いっぽうでリマニが日本の産業に影響を与えるという意見もある)。

原料に戻して再製造するのでも、別のものに再利用するのでもない。EY ストラテジー・アンド・コンサルティング(EY)はこのほど、リマニ部品を50パーセント使用したガソリンエンジン車と新品のEVとのライフサイクルにおけるCO2排出量を比較した結果を公開したが、それによると、それぞれの車を3年間乗り続けた場合、EVよりもリマニ車のほうがCO2排出量が1台あたり5.9トンも少ないことがわかった。5年間走行しても、3.3トン少ない。

アメリカの自動車産業界では、安全保障上の問題がある国からの輸入原材料に依存することなく、自国内でサプライチェーンを確立しようとリマニ化を進めている。またEUでは、環境に配慮し商品設計を義務づけるエコデザイン規則などにより、リマニ部品の導入が広まっているという。日本においては、エンジン車は部品点数がEVよりも多いため雇用への貢献が大きく、またEVの基幹部品であるバッテリーは海外に依存するため経済安全保障の観点から望ましくないとEYは指摘する。しかも、ガソリンエンジン車の製造技術が豊富に蓄積されている日本の強みが活かせる。合成燃料が普及すれば、リマニエンジン車の優位性はさらに高くなるだろう。

リマニ部品を多く取り入れたリマニ車が、通常の新車よりも安く手に入れば有り難い。また、長年乗り続けた愛車が安価なリマニ部品で甦り、さらに乗り続けられるというのも夢のような話ではないか。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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