「宇宙探査に貢献したことが評価されるのはとてもクールなことだ。オデュッセウスを月面に着陸させたのはチーム全体の努力によるものだ。我々は、夢をもった人が集まった小さな民間企業で、懸命に努力した結果、信じられない成果を成し遂げることができた」とフィッシャーは語っている。
フィッシャーは、宇宙飛行士時代に国際宇宙ステーション(ISS)に136日間滞在し、2回の宇宙遊泳を成し遂げた。彼は現在、インテュイティブ・マシーンズで生産・オペレーション担当の副社長を務めている。
フィッシャーは、YouTube番組『TechFirst』で、宇宙での体験について次のように述べている。
「光が入ってきてエンジンが始動すると、もう宇宙空間にいて体が浮いている。外を見ると、様々な生き物が住む地球が薄い青い線のように見えた。250マイル上空から見たその光景は、とてもドラマチックだった」
インテュイティブ・マシーンズは、今年2月にオデュッセウスを月面に着陸させた。その後、同社はNASAから宇宙飛行士が月面で使用する月面車を開発する契約を獲得している。同社は、次回の月面着陸ミッションであるIM-2で、氷などの利用可能な資源を探索する。このミッションは、現在のところ2024年後半に計画されており、探査機は月の南極に近いシャクルトンクレーターのすぐそばに着陸する予定だ。
「土の中に水や氷があると確信している。ドリルを使って土壌を1メートルほど掘り下げ、小さな質量分析計で地下物質の中から揮発性成分を探す予定だ」とフィッシャーは話す。
このミッションでは、小型月探査機2台と、氷を探すためにクレーターの永久影を飛行するホッパー(Hopper)と呼ばれるロケット駆動ドローンを使用する(氷は、飲料水や酸素、ロケット燃料、農業、冷却システム、放射線の遮蔽に利用できるため、宇宙では貴重な資源だ)。
フィッシャーによると、インテュイティブ・マシーンズは、制御不能に陥ったり、遭難した宇宙船の非協力的ドッキングや、より大型の宇宙船が地球軌道周辺まで届けた火星の岩石サンプルを回収するミッションのほか、近地球軌道でより良い通信を実現するためのニア・スペース・ネットワーク・サービスの構築にも取り組んでいるという。
宇宙飛行士のスピーカーエージェンシー、Uniphigoodが主催した宇宙飛行士ロックスター賞の授賞式は、1969年の月面着陸の55周年に合わせて開催された。
伝説的な宇宙飛行士である故アラン・B・シェパード・ジュニアもこの賞を受賞している。
(forbes.com 原文)