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2024.08.07 11:00

グーグルの「データ開示」を担う専門チーム、人員削減に直面

最近の注目すべきケースの1つでは、LISは、2020年1月6日の米国の議事堂襲撃事件に関与した人物を特定しようとする捜査官に対し、携帯電話の位置情報を提供するよう求められた。

AIの導入も失敗

連邦警察はまたLISに対して特定の単語を検索した人々の情報や、特定のYouTube動画を視聴した個人のデータを求める要求を行ってきたが、グーグルはその要求に応じられない場合もあった。グーグルは、2022年7月に連邦捜査局(FBI)から人種差別的な脅迫を含むとされるYouTube動画をレビューするよう求められたが、裁判資料によると、スタッフの1人は、「人手不足」を理由に適切に対応ができないと回答していた。グーグルは、当局が問題のライブストリームを特定するために十分な情報を提供しなかったと主張し、FBIの主張に反論した。

グーグルは、LISの作業を迅速化するために人工知能(AI)を使用しようとしたが、計画どおりにはいかなかった。情報筋によると、2021年に同社は裁判所の召喚状や捜査令状などのドキュメントをスキャンし、要求されたデータを特定してLISチームに送信するツールを導入した。しかし、このツールはうまく機能せず、作業が煩雑で時間がかかるものになったという。

人手不足とそれを補うテクノロジーの欠如の中で、LISは苦境に立たされている。しかし、一部の技術的な変更が彼らにいくらかの助けをもたらすかもしれない。グーグルは、Googleマップの仕様変更で、ユーザーの位置情報が自社のクラウドではなく個人のデバイスに保存されるようになると6月に発表した。同社はこの変更で、位置情報の開示要求に応じられなくなる。

グーグルは、この変更によってブラジルで実施したような救助活動の支援が、将来的に不可能になることを認めている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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