この研究の調査期間は2000年から2019年で、25歳から84歳までの34種類のがんと診断された2360万人と、20種類のがんにより死亡した740万人について調べたものだ。
米国がん協会(American Cancer Society)が米国時間7月31日にThe Lancet誌で発表した研究によると、ベビーブーマー世代と比較して、X世代とミレニアル世代で17種類のがんの罹患率が上昇していたという。
また、ほとんどの種類のがんにおける死亡率は若い世代では横ばいか減少したが、子宮体がん、肝臓がん(女性のみ)、胆嚢がん、精巣がん、大腸がんでは増加していた。
ベビーブーマー世代とミレニアル世代のがんの罹患率の違いを見ると、差異が最も小さかった卵巣がんの若い世代における罹患率は、約12%ほどベビーブーマー世代よりも高く、差異が最も大きかった子宮がんでは、若い世代の罹患率は169%高かった。
若い世代で罹患率が増加したがんは?
若い世代で罹患率が増加したがんは、大腸がん、子宮体がん、胆嚢がん、腎臓がん、膵臓がん、骨髄腫、白血病、精巣がん、ホルモン受容体陽性乳がん、小腸がん、卵巣がん、肝臓がん(女性のみ増加)、HPV非関連口腔・咽頭がん(女性のみ)、肛門がん(男性のみ)、カポジ肉腫(男性のみ)、噴門部の胃がん、それ以外の部位における胃がんの17種であった。ミレニアル世代だけで見ると、甲状腺がん、膵臓がん、小腸がん、腎臓がん、腎盂(じんう)がんの罹患率がベービーブーマー世代より2〜3倍高かった。X世代では、ベービーブーマー世代と比較して、HPV非関連口腔・咽頭がんの罹患率が最も高かった。