ヘルスケア

2024.08.02 12:30

ミレニアル世代とX世代のがん罹患率増加、肥満と加工食品が原因か 米国

なぜ若い世代で罹患率が増加したのか?

研究者らは、若い世代におけるがん罹患率の増加は、彼らがベビーブーマー世代よりも早い時期から発がん性物質にさらされるようになっていることを示唆していると考えている。罹患率が上昇した17種類のがんのうち、10種類は肥満に関連したものであった。New England Journal of Medicine誌に発表された研究によると、米国の肥満率は数十年間上昇を続けており、2030年までには人口のほぼ半数が肥満になると予測されている。

また、研究者によれば、消化器がんの増加は、若い世代の食生活による腸内フローラの変化も示唆しているという。超加工食品抗生物質と特定のがんとの関連はいくつかの研究で指摘されており、米国人の超加工食品の消費量は2001年以降大幅に増加していることが調査から判明している。

逆に、ミレニアル世代とX世代の女性の子宮頸がん罹患率は激減した。これはHPVワクチンの効果に関連している可能性がある、と研究者たちは述べている。HPVワクチンは2006年に9歳から26歳の女児を対象に初めて米国で承認されたが、これは男性への使用が承認される5年前のことである。このワクチンは、男性にも有効であるにもかかわらず、歴史的に女性専用ワクチンとして認識されてきた

本研究の上席著者であり、米国がん協会の上級副会長であるアーメディン・ジェマル博士は声明で「この若い世代におけるがん罹患率の増加は、がんリスクの世代交代を示すものであり、これはしばしば、国が抱えるがんによる将来の負担を示す早期指標となる」と述べている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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