「私はコロンビア大学に多大な恩を感じています。この大学は、私が本当に必要としていたときに奨学金を提供してくれました。しかし、抗議者たちは自分たちの行動の責任を取っておらず、大学は彼らを野放しにしています」
クラフトは、これまで800万ドル(約11億円)以上をコロンビア大学に寄付しており、今回の彼の決断で同大学は数百万ドルの損失を被る可能性がある。しかし、幸いにも同大学には、ケーブルテレビ業界の重鎮で保有資産が73億ドル(約1兆円)のロッコ・コミッソなど、資金力のある卒業生が他にも数多く居る。
コミッソは、フォーブスの取材に、今後も母校への寄付をやめるつもりはないと語った。「卒業生である私たちは、母校を支援するべきなのです。この大学は、私に学費と機会を与えてくれたのですから」と彼は述べている。
コミッソとクラフトは、コロンビア大学が輩出した11人のビリオネアのうちの2人だ。同大学は米国で8番目に多くの保有資産が10億ドル(約1445億円)を超える人々を輩出している。
フォーブスの長者番付に名を連ねる813人の米国人ビリオネアの4分の1は、わずか12の大学の卒業生で占められている。このエリートグループには、カリフォルニアの主要な私立大学2校、州立大学2校、アイビーリーグ8校のうちの7校が含まれている。最も多くのビリオネアを送り出したのは、ペンシルベニア大学で、36人を送り出し、その約3分の2が同校のビジネススクールであるウォートン校で学んでいた。
このような富豪の卒業生のネットワークは、大学や学生たち巨額の資金をもたらしている。昨年亡くなったヘッジファンド界の富豪、ジム・シモンズ夫妻は、シモンズ財団を通じて5億ドル(約722億円)をストーニーブルック大学の基金に寄付することを誓約した。また、マイケル・ブルームバーグは2018年にジョンズ・ホプキンス大学に、米国の大学への寄付としては過去最大の15億ドル(約2167億円)を寄付した。
下記に、フォーブスがまとめた最も多くの米国人ビリオネアの学部卒業生を送り出した大学のランキングを掲載する。もちろん、ビリオネアになるために大学に行く必要はない。マーク・ザッカーバーグのような大学の中退者や、テイラー・スウィフトやレブロン・ジェームズのように大学に行かなかった人たちも10億ドルを超える資産を築いている。
1.ペンシルベニア大学(36人)
所在地:フィラデルフィア
2.スタンフォード大学(30人)
所在地:カリフォルニア州スタンフォード
3.ハーバード大学(28人)
所在地:マサチューセッツ州ケンブリッジ
4.イェール大学(19人)
所在地:コネチカット州ニューヘブン
5.コーネル大学(13人)
所在地:ニューヨーク州イサカ
6.(同率)南カリフォルニア大学(12人)
所在地:ロサンゼルス
6.(同率)プリンストン大学(12人)
所在地:ニュージャージー州プリンストン
8.(同率)マサチューセッツ工科大学(11人)
所在地:マサチューセッツ州ケンブリッジ
8.(同率)ダートマス大学(11人)
所在地:ニューハンプシャー州ハノーバー
8.(同率)コロンビア大学(11人)
所在地:ニューヨーク
11.(同率)ミシガン大学(10人)
所在地:ミシガン州アナーバー
11.(同率)カリフォルニア大学バークレー校(10人)
所在地:カリフォルニア州バークレー
(forbes.com 原文)