米国市場で成功する日本ブランドの資生堂やSK-IIなどについて何年も調査してきたオコナーは、J-ビューティーの急成長は、今後も数年間は継続すると見込んでいる。
また、米調査会社Future Market Insights(FMI)のレポートは、Eコマースへの移行が、J-ビューティー・ブランドがより幅広い市場で消費者にリーチする機会を創出し、オンライン市場でのプレゼンスを高めることにつながったと説明している。
2024年4月には、日本のスキンケアブランドの製品を販売するECプラットフォーム、シコウビューティ(SHIKO BEAUTY)が、ビバリーヒルズを拠点とするヘア&ビューティー・スタジオ、STRIIIKEとの提携により、実店舗を開業した。
さらに6月にはメゾンコーセーが、米国で初となる独立型の店舗をロサンゼルスにオープン。コーセー傘下の数々のブランドの製品を取り扱っている。
人気上昇の背景
米国市場に進出するJ-ビューティー・ブランドにとってハードルとなるのは、円安、運営上の課題、教育の格差などだ。これらについてオコナーは、次のように述べている。「製品は海外で製造され、日本から出荷されます。そのため、輸入に関連したコストが増加しています。また、(日本と)米国の消費者と小売業者には、技術や原材料に関する知識に差があり、製品カテゴリーも異なることから、それらについての教育も必要になります」
だが、J-ビューティー・ブランドの米国市場進出については、「今が絶好のタイミング」だと話す。その理由はいくつかあるが、1つはメインストリームにおける韓国美容、すなわち「K-ビューティー」の成功だ。
また、日本の化粧品にインスピレーションを得た米国のコスメブランドが築いてきた実績や、アジアの美容・健康関連製品と、臨床研究に基づいた製品に関する認知度の上昇、需要の増加のおかげでもあるとのこと。
米国の消費者や小売業者は透明性と信頼性を求めており、健康でも平均寿命でも世界ランキングの上位に入る日本は、パーソナルケアやウェルネスの分野で高い信頼性を得ているという。