都市は伝統的に地理的な位置やその地域の気候条件に合わせて設計されてきたとミリビリは指摘する。
コンクリートや鉄、アスファルトなど、今日建築に使われている材料の多くは、日中に熱を吸収し、夜ゆっくりと熱を放出する。夜間に気温が高いままなのはこのためだとミリビリは説明する。
そして、最も危険なのはそうした夜間の高温で、これが高い死亡率や罹患率につながるという。
ミリビリはまた、多くの都市に「自然がない」ことも、都市の気温上昇を助長していると指摘し、医学誌ランセットに2023年に掲載された研究にも言及した。この研究では、欧州の都市で樹木被覆率を30%まで高めることで、暑さに関連する死を3分の1減らすことができると論じた。
「都市に緑地を増やし透水性の表面を増やすことは、暑さ対策に複数のメリットをもたらす」とミリビリはいう。「暑さは人命を脅かす。緑豊かな都市を作り始めれば、今以上に美しくて住みやすく、そして理にかなった都市になる。なぜなら緑豊かな公共空間では、誰もが休憩してリラックスできるからだ」
ゾゲイブは、タンザニアのダルエスサラームでのアラップの取り組みに言及した。同社はデジタル技術を使って2050年までの都市の成長をモデル化し、都市の高温と洪水に対処するための将来の計画に自然を用いたソリューションを組み込んだ。
このプロジェクトでは、気温を最大5度下げることができ、オリンピックで使用される大きさのプール300杯分の雨を土壌に蓄えることができることを実証した。
「洪水や都市の高温、緑地といった問題は解決できる。都市を構成するあらゆる要素について考え、そうした要素が住みやすく、回復力のある場所づくりにどのように貢献しているのかを理解する絶好の機会だ」とゾゲイブは話した。
(forbes.com 原文)