先月の討論会を受けてバイデンの進退に注目が集まる中、ABCニュースのジョナサン・カール記者は「ABCワールド・ニュース・トゥナイト」の番組内で、シューマーがデラウェア州でバイデンと直接会談した際、選挙戦から身を引いたほうが「バイデンのためにも、民主党のためにも、米国のためにもなると力説した」と伝えた。
カールによると、シューマーの事務所はこの報道内容を否定はせず、「シューマー院内総務は党幹部会の見解を(バイデンに)伝えた」と説明したという。
報道を受け、シューマーの広報担当者は複数のメディアに対して声明を発表。「ABCの情報源がシューマー上院議員かバイデン大統領でない限り、この報道は根も葉もない憶測にすぎない」と主張し、1対1の会談でシューマーがバイデンに伝えたのは上院民主党の見解だと改めて強調した。
ただ、この声明は、ABCの報道内容を完全に否定してはいない。
6月のドナルド・トランプ前大統領との討論会で失態を演じたことで、バイデンに対する党内の支持は大きく低下している。上下両院で現職議員20人が出馬を取りやめるよう求めており、直近ではアダム・シフ下院議員(カリフォルニア州選出)が、選挙当日にバイデンがトランプを打ち負かす可能性について「深刻な懸念を抱いている」と口にした。
討論会後に発表された複数の世論調査では、バイデンの後任候補の筆頭に挙げられているカマラ・ハリス副大統領には、トランプに対してバイデンと同等か、それを上回る勝算があるとの結果が示されている。だが、バイデンは公には挑戦的な姿勢を崩しておらず、選挙戦を継続すると主張している。
シューマーと党下院トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務は、公の場ではバイデンへの一定の支持を表明している。しかし、米紙ワシントン・ポストによると両氏は先週末、バイデンが選挙戦に残れば上下院の両方で民主党が敗北する可能性があるとの懸念を大統領本人に伝えたという。
(forbes.com 原文)