アメリカン航空の業績を牽引しそうなトレンドにはどのようなものがあるのだろうか?
株価パフォーマンス
まず、AALのパフォーマンスを見てみよう。2021年1月初旬につけた15ドル台から、米国時間7月17日現在の11ドル前後という水準まで、AALは約25%下落している。それに対し、S&P500種株価指数はこの約3年間で約50%上昇した。特筆すべきは、AALのパフォーマンスは過去3年間、いずれも市場全体を下回っていることだ。2021年のリターンは14%、2022年はマイナス29%、2023年は8%だった。一方、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、AALのパフォーマンスはすべての年でS&P500を下回っている。AALの株価は割安水準
私たちはAALが過小評価されていると考えており、目標株価は15ドルとした。この目標株価は、2024年度通期の予想EPSである2.49ドルに約6倍のPER(株価収益率)を掛け合わせて算出した。同社のガイダンスでは、通期のEPSは2.25ドルから3.25ドルの範囲になるとしている。直近の決算動向
前四半期の決算では、アメリカン航空の売上高は前年同期比3%増の126億ドル(約1兆9604億円)となった。この伸びは主に、輸送容量の単位である座席マイルが8.5%増加したことによるが、イールド(旅客1人に対する1マイル当たりの収入単価)の低下により、座席マイルあたりの旅客収入が5%減少したことで一部相殺された。調整後の営業利益率は前年同期の3.7%から0.6%に急劇に悪化した。その結果、EPSは前年同期の0.05ドルの黒字に対し、当四半期は0.34ドルの赤字となった。今回の四半期決算について言えば、同社は引き続き堅調な旅行需要の恩恵を受けるだろう。しかし、座席マイルについては、前年同期比で変化はないと見込んでいる。平均燃料価格は、前年同期の1ガロンあたり2.62ドルに対し、今期は2.75ドル程度になると予想される。また、同社のガイダンスでは、今期の調整後営業利益率は8.5%から10.5%に改善し、調整後のEPSは1.00ドルから1.15ドルの範囲になるとされている。
(forbes.com原文)