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2024.07.07 09:45

台所のディスポーザーとバイオ発電機で循環型エネルギーを

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流しの排水溝に生ゴミを入れると、ガーッと粉砕して下水に流してくれるディスポーザー。いまだに否定的な声も聞かれる家電品だが、その排水を利用して発電する逆転の発想のシステムが誕生した。

下水管や汚水処理施設の負担が増すうえに、海や河川の環境を害するとして利用を禁止、または自粛を求める自治体もあり、日本ではほとんど普及していないディスポーザーだが、東京都などは、排水処理システムとセットなら使用を認めている。それでも、溜まった汚泥は定期的に回収して、どこかで処理する必要がある。そこで、大和ハウスと水処理を専門企業ダイキアクシスが共同で、ディスポーザー付きマンション向けの小型バイオ発電機を開発した。

それは、100戸規模のマンションから導入可能で、排水に含まれる固形物からバイオガスを発生させて発電するというもの。100戸のマンションなら、1日あたりの発電量は約8キロワット時。マンションの共有部の照明に利用すれば、年間の消費電力を約20パーセントが賄われ、約7.8トンの二酸化炭素削減が可能になるとのことだ。

これが実現したのは、排水中の固形分を効率的に分離する装置により、従来の同等性能のガス化装置の6分の1にまでサイズダウンできたためだ。また、従来型の装置では毎日洗浄しなければならなかったが、これはその必要がないなど、分譲マンションへの導入を容易にした。

1920年代にアメリカで発明されたディスポーザーは、生ゴミを家や路上に放置したときの衛生上の問題を解決する画期的な装置として普及したが、下水道の整備が遅れた日本ではディスポーザーの排水が河川の汚染を引き起こすなどの問題が生じた。それが、ディスポーザーは環境に悪いという誤った印象を日本人に植えつけてしまった。

だが、現在は下水道処理人口普及率が8割を超え、また国土交通省が2000年から2005年にかけて北海道で行った実証実験により下水施設に大きな影響がないことも証明されるなどした結果、生ゴミ処理問題の緩和につながることからディスポーザーを推奨する自治体も増えている。さらにこのバイオ発電装置と組み合わせれば、ディスポーザーは衛生問題、ゴミ処理問題だけでなく、家庭単位の循環型エネルギーや分散型電力の実現という、エネルギー問題への貢献も期待できる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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