北米

2024.06.28 09:00

在米中国企業、逆境の中でも「米国への投資を維持」が過半

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米ニューヨークに本部を置く米国中国総商会が6月25日に発表した年次調査によると、米国で事業を展開する中国企業の大半は、米中関係の展望に対する懸念が高まっているにもかかわらず、米国での投資を維持または増加させようとしている。

調査に参加した100社近い中国企業のうち約59%が、2024年における対米の新規投資額は前年と同水準となると予想し、29%が投資額を増やす予定だと回答した。この結果は「称賛に値する楽観主義、決断力、回復力」を反映していると同総商会は指摘した。

『Annual Business Survey on Chinese Enterprises in the U.S.(在米中国企業に関する年次事業調査)』と題されたこの調査は、企業からの回答や一部の幹部へのインタビューに基づき、在米中国企業の状況や受け止め方を詳細に分析したものという。調査に参加した企業の約43%が今年と来年の増収を予想しており、この割合は前年の46%から減少した。39%が横ばいを予想しており、前年の35%から上昇した。

同総商会の会員には中国銀行や投資会社の復星国際、電気自動車(EV)メーカーのBYD、機械メーカーのサニーアメリカ、吸収式冷凍機メーカーのブロードUSA、アパレルメーカー紅豆集団の紅豆アメリカ、テンセントのクラウド事業部門のテンセント・クラウド、自動車部品メーカーの万向集団、自動車用ガラスメーカーの福耀集団などが含まれ、国有企業と民間企業が混在している。調査に参加した企業の25%近くがカリフォルニア州で事業を展開しており、ニューヨーク州に拠点を置く企業は17%で2番目に多く、テキサス州は全体の10%超だった。

楽観的な長期見通しは、米国における事業・投資をめぐる環境全体と米中関係に対する当面の否定的な見方によって相殺された。「米中関係の行き詰まり」を懸念する企業の割合は、昨年の81%から今年は93%に上昇。「米中の経済・貿易関係の摩擦」に対して懸念を示した企業の割合も昨年の66%から86%に増えた。企業の60%超が環境の悪化を指摘したという。過去1年間の利益率も低下し、「2020年のパンデミック初期を彷彿とさせる」と同総商会は述べている。

米国に進出する中国企業に対し、同総商会は以下のような点を提言している。

・社内の能力の構築・強化を優先する。外部で発生する問題に対処するため、業界内の構造的・比較的優位を特定し、活用する。

・最優良事例から学ぶために意思疎通を強化し、統合と成長を促進すべく技術革新や新しい人工知能(AI)技術、米国の人材を活用する。

・「消費主導という米経済の性質」に事業運営を合わせ、「先見性のあるブランドの特性」を確立する。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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