宇宙

2024.06.17 18:00

「観測史上最古」宇宙誕生からわずか2.9億年後の銀河、JWSTが発見

JWSTの近赤外線カメラNIRCamが捉えた、現在知られている最遠の銀河「JADES-GS-z14-0」(拡大画像で表示)。赤方偏移は14.32 (+0.08/-0.20)で、ビッグバンから3億年足らずの初期宇宙に存在していた(NASA, ESA, CSA, STScI, B. Robertson (UC Santa Cruz), B. Johnson (CfA), S. Tacchella (Cambridge), P. Cargile (CfA))


遠方の銀河「JADES-GS-z14-0」の赤方偏移を正確に測定し、銀河の年齢を確定する目的で、JWSTの近赤外線分光器NIRSpecで取得したスペクトル。連続スペクトルの鋭い落ち込み(ライマンαブレイク)がある(NASA, ESA, CSA, J. Olmsted (STScI). Science: S. Carniani (Scuola Normale Superiore), JADES Collaboration)

遠方の銀河「JADES-GS-z14-0」の赤方偏移を正確に測定し、銀河の年齢を確定する目的で、JWSTの近赤外線分光器NIRSpecで取得したスペクトル。連続スペクトルの鋭い落ち込み(ライマンαブレイク)がある(NASA, ESA, CSA, J. Olmsted (STScI). Science: S. Carniani (Scuola Normale Superiore), JADES Collaboration)

重大な示唆

JADES-GS-z14-0は、非常に奇妙で疑わしいと見なされたため、JWSTの様々なフィルターを用いて5日間にわたる極めて詳細な観測が実施された。この観測では、水素と酸素が検出された。非常に若い銀河であるにもかかわらずだ。
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酸素は、恒星の内部で水素やヘリウムの核融合反応が進むのに伴って生成されるため、酸素の存在は、ビッグバン後の最初の2億9000万年が、何世代もの恒星を形成するのに十分な長さだったに違いないことを示している。

JADES-GS-z14-0は、非常に初期の宇宙に存在すると予測されている種類の銀河とは異なっている。カルニアーニと米アリゾナ大学のケビン・ハインラインは「JADES-GS-z14-0を見つけるために探索した空の領域が比較的狭いことを考えると、この銀河の発見は、初期宇宙で観測される明るい銀河の予測される数に関して重大な示唆を与えている」と説明している。

JWSTは今後、おそらく宇宙がさらに若かった時代の銀河をより多く発見することが期待される。
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forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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