2024.05.20 09:30

仕事中とみせかけ旅行、会社に内緒の「ハッシュトリップ」 リモート勤務で流行

ハッシュケーションは解雇に値するか

もし休暇を取ることを上司に言いたくないと感じる状況にあるなら、そのこと自体を問題視すべきだというのが人事コンサルタントのダニエル・スペースの見解だ。

「休暇の目的は、仕事から離れ、ストレスを解消することだ。休暇中に仕事をしているふりをするストレスは想像を絶する」。人事ビジネスパートナーのDanFromHr.comで人事コンテンツクリエイターを務めるスペースはこう断言し、「休暇を節約できることだけしかメリットがないのではないか」と続けた。

ハッシュケーションには、職場の信頼関係を壊したり、休めないのは自分で仕事量を管理できないせいだと上司に誤解させたりする危険性があるとスペースは指摘する。

メンタルヘルスカウンセラーでタンパ・カウンセリング・プレースを経営するナタリー・ロサドも、ハッシュケーションを選択する従業員がいるということは、職場に透明性や信頼関係、企業文化に関わる大きな懸念が横たわっている証拠だとみる。

ロサドによれば、規制要件が厳しく高いセキュリティーが必要とされる業界や、共同作業が求められたりシフト制が敷かれていたりする職場では、ハッシュトリップがトラブルの原因になりやすいという。

一方で、リモートワークの従業員が世界中を飛び回りながら仕事をしていてもかまわないと考える雇用主もいる。デジタルマーケティング会社ザ・ステータス・ビューローの共同創業者ジョシュ・ローウェンは、従業員がハッシュケーションをしていたことを後になって知った。

「本人は発覚したら問題になると思っていたようだが、真逆の対応をした」とローウェンは明かし、次のように述べている。「人生を楽しみながら、同時にやるべき仕事をすべてやり遂げた従業員を誇らしく思った。人生は一度きりなのだから、幸せになろうと努力したほうがいい。リスクがあるとしたら、それは従業員が自分の仕事を完遂できない場合だけだ」

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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