──家業を継いで早い段階で組織風土の改革に取り組まれたのは、前職でのご経験から赤字や下請けから脱却するための道筋が見えていたからなのでしょうか?
石川:いえいえ、全く見えていませんでしたよ。
前職を辞めて会社に帰ってきた時、みんな真面目に働いてるけど売り上げは下がり、利益はないので、口を開けばお互いの悪口を言い合っている状態でした。
だけど、みんな毎日ちゃんと仕事をする。だからみんなにとって信頼できる価値観ができれば、いい会社になると思ったんです。前職では、共通の価値観がある職場で大義を感じながらやりがいを持って働いていたので、そういう職場にしたいなと思い、ミッションやビジョンを最初に作らなくてはと思ったんです。
とにかくローリスクで、次へのバトンに
──小さな組織の中で新しいことを始めるには社内で色々な反応もあったかと思います。秋元さんのサポートでガンガン焼きを生み出したことで、社内には何か良い影響はありましたか?石川:最初は、社内ではお手並み拝見と見られていた部分もありました。
オカビズではプレスリリースの書き方も教えていただいて、愚直に各社にFAXを送ったら、読売新聞さんから載せていいですかと連絡が来ました。 新聞に載ったのは創業から114年間で初めてのことだったので、そこで潮流の変化を少しだけ感じました。
──スモールスタートで新規事業を始めたいという相談を受ける際、秋元さんが特に意識していることを教えていただけますか。
秋元:いつも意識していることが2つあります。
1つは、相手の口のサイズに合わせてピザをカットするということ。
いつもお手伝いする時、アドバイスしようとは全く思っておらず、僕だったら何をするかを考えます。ですが、もし相手の人が僕よりも年齢が上でスマホも使えないなら、「僕だったら何をやるか」を伝えてもできないですよね。なので、ピザで考えると、相手の口に合わせて16分の1しか口に入らないなら、16分の1にカットして届けようと。
もう1つは、とにかくローリスクでやること。
もちろん成功する可能性の確からしいことをご提案しますが、仮にうまくいかなかったとしても、コストがかかってないから次はあれをやろう!と、まずはできることをご提案するようにしてきました。
小さな組織から大きなヒットの実例を持つスモール・ジャイアンツ イノベーター2人のトークは、後編に続く。
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