暗号資産

2024.04.18

まもなく「半減期」を迎えるビットコイン、価格は上昇する?

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暗号資産ビットコインは4月20日、4年に1度発生する「半減期」と呼ばれるイベントを迎える。いささか謎めいた現象でもある半減期は、理論上は、ここ数週間横ばいのビットコインの価格を大きく押し上げると期待されている。

半減期は、ビットコインのプログラムにあらかじめ仕組まれたイベントで、マイニング(採掘)に対する報酬が半分になるものだ。これまで2012年、2016年、2020年に起こり、4月20日は4回目の半減期となり、新たなビットコインの供給量が1日あたり900枚から450枚に半減する。

ビットコインは、価値の希薄化を防ぐためにシステム上で発行上限が2100万枚に決められており、これまでの発行枚数は、1900万枚から2000万枚とされている。半減期はビットコインの供給を制限し、価値を維持するために設けられている。

供給量の減少は、価格の上昇につながると予想されている。ビットコインの価格は、過去の3回の半減期の後の12カ月間で、それぞれ8069%と284%、559%上昇していた。セブンスレポートのアナリストのトム・エッセイは、半減期の後にビットコインの価格が上昇するのは経済学の基本で説明できると述べている。「需要が減少せず、新たな供給が減少すれば、価格が動くしかない」と彼は説明した。

しかし、ビットコインの需要が今後も伸び続けると決まったわけではなく、過去の3回のデータのみで、半減期後の価格を正確に予測することは難しい。ビットコインの否定派と狂信者の意見をふるいにかけるのは困難だが、否定派はこのコインのユースケースが限られていることを考慮すると、ビットコインはすでに過大評価されているというだろう。

しかし、ここ数年のビットコイン価格の恐るべき上昇は、最大の悲観論者たちにとっても否定しがたいものだ。17日時点の6万1000ドルという価格は、2020年の半減期の価格の約7倍、2016年の水準の約90倍、2012年の水準の約4000倍だ。

現状のビットコインの価格は、先月につけた史上最高値の7万3768ドルを約17%下回っており、イランがイスラエルに無人機攻撃を仕かけた14日の10%もの暴落は、この上昇のもろさを示している。

マイニング企業にとっては痛手

そんな中、バーンスタインのアナリストのゴータム・チュガニは17日に顧客に対し、現状の価格の上昇を後押ししたのは、「new demand catalysts(新たな需要の触媒)」だと説明した。その例として彼は、1月の現物ビットコインETFの承認を挙げ、ビットコインに数十億ドルの新たな資金が流入したことが、ポジティブな値動きに最も強く貢献したと述べた。チュガニは、ビットコインが来年には15万ドルに達すると予想している。

一方、半減期は、ビットコインの保有者にとっては恩恵になるが、マイナー(採掘者)にとっては大きな痛手であり、文字どおり潜在的な収益を半減させる。ビットコインのマイニングを手がける米国の3つの上場企業、CleanSpark(クリーンスパーク)、Marathon Digital(マラソンデジタル)、Riot Platforms(ライオットプラットフォームズ)らの今年の株価パフォーマンスは、すべてビットコインを下回っているとチュガニは述べている。彼はまた、半減期がこの業界の統合化を促し、企業の収益率を高めるといった観点からも、投資家にメリットをもたらすものだと説明した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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