Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Paramount+(パラマウントプラス)、Max(マックス)を含む全ストリーミングサービスの総加入者数は2023年に2億4290万人に増加し、うち1億6470万人が新規加入者だった。
しかし、加入者数の伸びはパンデミック前と比較しても最低の10.1%にとどまり、2022年の21.6%から大きく鈍化した。
また驚くべきことに、解約数は1億4050万人に上った。これは2022年の解約数より3600万人以上多く、過去5年間で最多となる。
一方、Antennaの報告によると、いったん解約した加入者が数カ月後に再加入するケースも少なくない。 解約した顧客の約25%が解約後3カ月以内に、40%が年内に再加入を果たしている。
全体では、2023年の総加入者数の約30%を再加入者が占めた。
再加入率が業界最高だったのはApple TV+で、顧客の37.2%が年内に再加入した。一方、Netflixの再加入率は26%に縮小した。
2023年のストリーミング業界の不振は、パンデミック期に爆発的に普及した動画配信サービスの全体的な成長鈍化を示している可能性がある。この5年間だけで、2019年にApple TV+がスタートし、2020年にPeacock(ピーコック)、2021年にDiscovery+(ディスカバリープラス)の立ち上げが続き、同年にParamount+がCBS All Access(CBSオールアクセス)からリブランドされた。
新しいプラットフォームの成長により、業界の一部レガシープロバイダーにとっては加入者のシェア縮小が起きている。Netflixはかつて業界最大の加入者シェアを誇り、2019年には全加入者数の約48%を占めたが、現在は26%にすぎない。同様にHuluはかつて23%を占めていたが、現在は約14%だけだ。
驚異的な解約数を計上した2023年の純増加入者数は2420万人で、業界にとって少なくとも2019年以降で最悪の業績となった。2020年は2870万人、2021年は4550万人、2022年は4120万人だった。
Antennaの調査によれば、ストリーミングサービス利用者の約39%はアカウントを維持している期間が1年未満だという。この数字は、依然として業界最大の加入者数を誇るネットフリックスを除くと45%に跳ね上がる。また、この層の約51%は加入時に3カ月しか契約しない。
これは配信プロバイダーにとって悪いニュースかもしれない。報告書によると、こうした顧客は解約を選ぶ可能性が最も高い。
(forbes.com 原文)