米国のファストフード業界で急成長を遂げるチポトレの株価はこの2年間で58%も上昇した。メキシコ料理のチェーン店であるチポトレは、直近の4四半期連続で既存店売上高が前年同期と比べ、10%以上も上回っている。ウォール街の投資家を惹きつける格好のネタだ。
次なるチポトレを探すべく、フォーブスはアメリカのファストフードチェーン株を、「既存店売上高」に基づいて格付けを行った。サンディエゴに本社を置くハンバーガー店ジャック・イン・ザ・ボックスから、復活を遂げたフライドチキン中心のチェーン店ポパイズに至るまで、下記のチェーン店14社は2015年第1四半期の既存店売上高が前年同期比で5%以上だった。
第1位となったのはドミノ・ピザ。既存店売上高が前年同期比で14.4%増を達成した。2015年度に同社は1,000店以上で店名をDomino’s PizzaからDominoに刷新し、携帯端末やウェアラブル端末用のアプリを通じたオンラインの注文システムを強化した。「ドミノ・ピザはテクノロジーの活用と新メニューの開発力で、国内外でその存在感を示してきた」とStifelのアナリストは4月に述べた。
第2位は、既存店売上高が前年同期比で11.7%増のシェイクシャックだ。しかし、新店舗の開設や特別メニューを盛んに宣伝している割には、今年1月にIPOを果たした株価の起伏はジェットコースター並に激しい。取引開始から4カ月で株価は2倍に跳ね上がったが、その後は大きく値を下げ、7月6日に一株58ドル(約7,000円)超で取引を終えた後、モルガンスタンレーが格付けを「アンダーウェイト」に変更。目標株価を38ドル(約4,500円)に下げたことから、翌7日朝にはシェイクシャック株は更に10%急落した。
「どう見積もっても…シェイクシャック株は高い。我々が適正価格とみる株価と現在の市場価格はかけ離れている」とモルガンスタンレーのアナリストは記し、325倍という途方もないPERについて触れた。しかし、新店舗の開店計画が着々と進んでいることや魅力的な期間限定品があることで、シェイクシャックの根本的なビジネスプランは「堅調だ」とも評した。
シェイクシャック株のようにファストフード株は、ウォール街から過大評価される面もあるが、消費者の景況感の改善や雇用の安定傾向、さらに原材料価格の安さといった要因が、この業界の好調を後押ししているとBarclaysは指摘している。この機会に、ここに挙げた14社の株をポートフォリオのウォッチリストに加えてみてはいかがだろうか。(下記、「売上高」とした数値は、2015年第1四半期の既存店売上高の前年比)
ドミノ・ピザ(Domino’s Pizza)
売上高:14.5%増
シェイクシャック(Shake Shack)
売上高:11.7%増
チポトレ・メキシカングリル(Chipotle Mexican Grill)
売上高:10.4%増
デイブ&バスターズ(Dave & Buster’s)
売上高:9.9%増
ジャック・イン・ザ・ボックス(Jack in the Box)
売上高:8.9%増
GoodTimes Restaurants
売上高:8.3%増
Diversified Restaurant
売上高:8%増
ボージャングルズ(Bojangles’)
売上高:7.9%増
ポパイズ(Popeyes)
売上高:7%増
Sonic
売上高:6.1%増
パパ・マーフィーズ(Papa Murphy’s)
売上高:5.6%増
クラッカー・バレル(Cracker Barrel)
売上高:5.1%増
エル・ポヨ・ロコ(El Pollo Loco)
売上高:5.1%増
Jamba Inc.
売上高:5%増