起業家

2023.12.04

インド富豪の娘が率いる小口金融企業、競合買収で国内2位に

アナーニャ・ビルラ(Photo by Prodip Guha/Getty Images)

インドの富豪クマール・マンガラム・ビルラの29歳の娘アナーニャ・ビルラ(Ananya Birla)が運営するマイクロファイナンス(小口金融)企業Svatantra Microfin(スバタントラ・マイクロフィン)は先日、競合のChaitanya India Fin Credit(チャイタンヤ・インディア・フィン・クレジット)の買収を完了させた。

この取引でスバタントラ社の運用資産総額は約1300億ルピー(約2300億円)に達し、インド当局にノンバンク金融機関 (NBFC)として登録されたマイクロファイナンス企業として第2位に浮上した。

「私たちは今、No.1の座を狙っています」とアナーニャは11月24日のX(旧ツイッター)投稿で述べた。アナーニャは、2016年のフォーブス・アジアの「注目すべき女性」リストに選出されていた。

インドのマイクロファイナンス業界は、今年5月時点で、7000万人の借り手に総額430億ドルの融資を行っているとされる。同業界1位のバンガロールを拠点とする上場企業CreditAccess Grameen(クレディアクセス・グラミン)は、運用資産額27億ドルを誇っている。

アナーニャは、サンスクリット語で自由を意味する社名を持つスバタントラ社を2012年に設立し、翌年から農村部の女性起業家に小口融資を提供する事業を開始した。同社は、2019年4月には280店舗、2020年11月には500店舗、2023年5月には800店舗を擁するまでに成長。今回の買収により、20州1500以上の店舗を通じて360万人の顧客に融資を提供する。

同社は、100%キャッシュレスで融資を行っている。「スバタントラは、インドのすべての女性に金融サービスを提供し、銀行口座を持たない人々を支援するというビジョンを持って私が設立した最初の会社です」とアナーニャは述べている。

クマールの3人の子供の長女であるアナーニャは、オックスフォード大学で経済学と経営学の学士号を取得し、母親とともにメンタルヘルスのイニシアチブ「Mpower」を運営している。ポップ歌手としても知られ、ユニバーサルミュージック・インディアとの契約で、2017年11月に初の楽曲「Livin' the Life」をリリースした。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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