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2023.11.20

OpenAIに出資のセコイアなど、「アルトマン復帰」への策略を協議中

サム・アルトマン (Photo by Nathan Posner/Anadolu Agency via Getty Images)

OpenAIの取締役会がサム・アルトマン前CEOを解雇するという衝撃的な展開があった翌日、同社の投資家たちは、さらに驚くべき「反クーデター」とも呼ぶべきかたちで彼を復活させる方法を画策した模様だ。

OpenAIの出資元のベンチャーキャピタル各社は、アルトマンが独自の新会社の設立を示唆したにも関わらず、マイクロソフトや同社の上級社員と協力して、彼を呼び戻す計画を議論した。投資家がこのような動きを成功させることが可能かどうか、またアルトマンの関心を引き続けるのに十分なスピードでそれを実行できるかどうかは不明だ。

情報筋がフォーブスに語ったところによると、彼らの作戦は、ミラ・ムラムティ暫定CEOが率いるOpenAIの新経営陣に、自分たちの状況が手に負えないことを受け入れさせるもので、そのためにマイクロソフトからのクラウドコンピューティングクレジットの保留や投資家からの訴訟の可能性といったプレッシャーを与える計画という。このような組み合わせに直面した場合、新経営陣はアルトマンの復帰を認めざるを得なくなり、同社の共同創業者のイリヤ・サツケバーやQuora(クオーラ)のCEOを務めるアダム・ディアンジェロなどのアルトマンの解任を推し進めた取締役の退任につながる可能性が高いという。

このような取り組みが間に合わない場合、アルトマンとOpenAIの元社長のグレッグ・ブロックマンは、新たなスタートアップのために資金調達を行う予定だと、2人の情報筋は語った。

この件に詳しい情報筋によると、少なくとも投資家の1社のセコイア・キャピタルは独自にマイクロソフトと接触し、アルトマンとブロックマンの復帰を促しているという。セコイアは、どのような選択肢を選んでもアルトマンを支援するつもりだと、この情報筋は付け加えた。

ニュースサイトThe Informationは18日、アルトマンがすでに新会社の立ち上げに向けた資金調達のために投資家に会ったと報じていた。アルトマンに近い情報筋の1人は「彼は本当に最良の結果を望んでいると思います」と述べ、どちらの選択肢もあり得ると語った。

OpenAIが復権を試みる上で重要な役割を果たすのは、同社に100億ドル(約1兆5000億円)を投資したマイクロソフトになりそうだ。ブルームバーグによると、同社のサティア・ナデラCEOは、アルトマンの更迭に驚き、激怒したという。

The Verge は18日に、OpenAIの取締役会がアルトマンを呼び戻すための話し合いをしたと報じたが、この話し合いが、投資家からのプレッシャーを受けた結果なのかどうかはわからない。フォーブスは、OpenAIの取締役会がアルトマンを解雇したことで、投資家たちが不意打ちを食らったと報じていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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