スポーツ配信ESPNが評価額240億ドル、アマゾンらが出資の可能性

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ディズニーのスポーツ放送ネットワークESPNの評価額は、リニアTVからストリーミングへの移行によって240億ドル(約3兆6000億円)に上昇する可能性があるとバンク・オブ・アメリカが予測した。ESPNの新たな出資元の候補には、アマゾンやアップル、ベライゾンなどの名前が挙げられている。

複数の情報筋によると、ディズニーはESPNを今後も維持する意向で、『マンデーナイトフットボール』などの目玉番組を既存のESPN+のストリーミングで配信していない同社は、新たなストリーミングサービスのためのパートナーを探していると報じられている。

ESPNの80%を所有するディズニーは、過半数の所有権を維持しつつ、ESPNの株式を新たな投資家に売却する可能性があるとバンク・オブ・アメリカは述べている。ディズニーは、この売却を通じて新たな資本を注入し、将来的にESPNをスピンオフさせる可能性があるという。

バンク・オブ・アメリカは、NFLやNBAなどのスポーツリーグも潜在的な投資パートナーになり得ると付け加えた。ESPNは、リニアTVの加入者数の減少に直面する中で、消費者直販モデルへの移行を検討しているとされる。

ニュースサイトAxiosは、ESPNがディズニーの2022年の会計年度に生み出した利益を29億ドルと報じている。この金額は、ディズニーのエンターテインメント事業の同期間の利益を10億ドル近く上回ったとされている。

ESPNの新たなストリーミングサービスは、グーグルやアマゾンなどのハイテク大手がスポーツ放送に参入する中で誕生する可能性がある。アマゾンは、年間約10億ドルを投じて、11年におよぶNFLとの契約を維持し「サーズデイ・ナイト・フットボール」を自社のストリーミングで配信している。一方、グーグル傘下のユーチューブは昨年、NFLと7年契約を結び、1シーズンあたり20億ドルを超える「NFLサンデーチケット」の権利を獲得した。

スポーツのストリーミング配信が広まるにつれ、消費者のケーブルテレビ離れの傾向も強まっている。調査企業MoffettNathansonの調査を引用したバラエティ誌によると、テレビプロバイダーは今年第1四半期に230万人という記録的な加入者数の減少に直面した。また、米国の有料テレビ放送の世帯普及率も1992年以降で最低の58.5%に低下したとバラエティは報じている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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