銀座で宝飾品といえば真珠のミキモト。明治26年(1893年)に初めて真珠の養殖に成功した御木本は1899年に銀座に御木本真珠店を開業。ミキモトの隣にあるのは山野楽器。明治25年に創立したピアノ/オルガンを製造する「松本楽器」が前身の老舗だ。
その隣は「木村屋総本店」あんぱんで有名な木村屋だ。明治2年に創業し、明治7年には銀座四丁目に移転し、酒種あんぱんを考案する。横浜が開港した1859年から15年で洋風パンにあんこを入れたのだからすごい。当初は現在地ではなくその向かい、今の銀座三越の場所だった。
関東大震災で被災した後、道路を挟んだ反対側の現在地へ移転したのである。今でもアンパンは人気だ。
そしてその隣が銀座の中心となった銀座4丁目交差点のシンボル「和光」だ。
旧服部時計店本社ビル。明治9年に朝野新聞社が本社を設けたが、その建物を買い取って時計塔を作ったのが輸入時計や宝飾品を扱う服部時計店だった。今のセイコーだ。その後、関東大震災を経て、昭和7年に時計塔を受け継いだ今のビルが完成した。そして昭和22年に服部時計店の小売り部門が「和光」として独立したのである。
洋風煉瓦街だからこそ時計、パン、ピアノやオルガン、真珠、書籍といった新しいものを扱う人たちがやってきて、こぞって店を構え、それが似合っていたのだ。