2014年のオリジナル版アルバムは、スウィフトのポップ歌手としての地位を確立した作品。再録版は、オリジナル版発売からちょうど9年となる日に発売された。
21曲を収録し、『Shake It Off』『Blank Space』『Bad Blood』といったヒット曲の再録版が含まれる。さらにこれまでの再録版アルバムと同様、未発表曲も収録された。今回の未発表曲は『Slut!』『Is It Over Now?』『Now That We Don’t Talk』『Say Don’t Go』『Suburban Legends』の5曲。
スウィフトはインスタグラムに写真を投稿した手書きコメントで「私は1989年に生まれ、2014年に初めて生まれ変わった。そして2023年、私がとても愛しているこのアルバムの再リリースによって、自分の一部を取り戻した」とつづった。
『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』は、発売から数時間でiTunes全米アルバムチャートの首位に上り詰めた。
スウィフトの楽曲の権利は2019年、大物マネジャーのスクーター・ブラウンが所有するメディア会社イサカ・ホールディングスにより買収され、後にプライベート・エクイティ会社に売却された。スウィフトはこの取り引きを「最悪のシナリオ」と批判し、自分は権利売却について知らされておらず、発言権もなかったと主張。自分の作品を取り戻すためとして、これまで今作を含め4枚のアルバムを「テイラーズ・ヴァージョン」として再録・発売してきた。
再録版アルバムは大ヒットを記録。スウィフトは8月、次の再録作品は『1989』になるとサプライズ発表。同作は「私の人生を数え切れないほど変えた」とし、素晴らしい未発表作品5曲が含まれるため、これまでで「最もお気に入りの再録」だとコメントした。音楽業界誌ビルボードは、『1989』をスウィフトのカントリーミュージックからポップスへの転向を決定づけた作品と位置付けている。
スウィフトは現在、再録プロジェクト最後の2枚となるデビュー作『テイラー・スウィフト』と『レピュテーション』の制作に取り組んでいる。
(forbes.com 原文)