音楽

2023.10.28 09:00

テイラー・スウィフト、再録版『1989』発売 自身最大のヒット作を「奪還」

遠藤宗生

Brian Friedman / Shutterstock.com

米歌手テイラー・スウィフトは27日、自身最大のヒットアルバム『1989』の再録版『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』を発売した。スウィフトは、過去に収録してきた多くの楽曲の権利が同意なしに売却されたことを受け、自分の作品を取り戻すために過去作の再レコーディングを続けている。

2014年のオリジナル版アルバムは、スウィフトのポップ歌手としての地位を確立した作品。再録版は、オリジナル版発売からちょうど9年となる日に発売された。

21曲を収録し、『Shake It Off』『Blank Space』『Bad Blood』といったヒット曲の再録版が含まれる。さらにこれまでの再録版アルバムと同様、未発表曲も収録された。今回の未発表曲は『Slut!』『Is It Over Now?』『Now That We Don’t Talk』『Say Don’t Go』『Suburban Legends』の5曲。

スウィフトはインスタグラムに写真を投稿した手書きコメントで「私は1989年に生まれ、2014年に初めて生まれ変わった。そして2023年、私がとても愛しているこのアルバムの再リリースによって、自分の一部を取り戻した」とつづった。

『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』は、発売から数時間でiTunes全米アルバムチャートの首位に上り詰めた。

スウィフトの楽曲の権利は2019年、大物マネジャーのスクーター・ブラウンが所有するメディア会社イサカ・ホールディングスにより買収され、後にプライベート・エクイティ会社に売却された。スウィフトはこの取り引きを「最悪のシナリオ」と批判し、自分は権利売却について知らされておらず、発言権もなかったと主張。自分の作品を取り戻すためとして、これまで今作を含め4枚のアルバムを「テイラーズ・ヴァージョン」として再録・発売してきた。

再録版アルバムは大ヒットを記録。スウィフトは8月、次の再録作品は『1989』になるとサプライズ発表。同作は「私の人生を数え切れないほど変えた」とし、素晴らしい未発表作品5曲が含まれるため、これまでで「最もお気に入りの再録」だとコメントした。音楽業界誌ビルボードは、『1989』をスウィフトのカントリーミュージックからポップスへの転向を決定づけた作品と位置付けている。

スウィフトは現在、再録プロジェクト最後の2枚となるデビュー作『テイラー・スウィフト』と『レピュテーション』の制作に取り組んでいる。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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