今世界の航空業界では、カーボンニュートラルな代替航空燃料「SAF」の取り合いが起こっている。各国の航空会社は石油由来のジェット燃料から早くSAFに切り替えたいのだが、製造する企業が限られているため需要がおいつかない状態だ。日本でも各社が国産SAFの大量生産を目指して頑張っているが、そのなかに微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)の研究で知られるユーグレナがある。
ユーグレナは、ユーグレナをはじめとする微細藻類を活用した健康食品や化粧品で有名だが、バイオ燃料の開発製造も行っている。バイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビなどの農作物を使用することから食糧不足に拍車をかけると懸念されているが、ユーグレナが2019年から製造を開始したバイオ燃料「サステオ」は、使用済みの食用油9割とユーグレナから抽出されるユーグレナ油脂1割が原料なので、そうした心配がない。
サステオは、純バイオ燃料としてそのままバスなどに給油して使うことができる。燃やせば二酸化炭素は出るが、原料の植物や藻類が吸収した二酸化炭素と相殺されるので、実質カーボンニュートラルだ。ジェット燃料の場合は従来の石油由来の燃料と混合して使われるものの、それでもASTMインターナショナルが定める持続可能な代替ジェット燃料の国際規格ASTM D7566に準拠している。
これに先立つ6月、航空自衛隊はF2B戦闘機とF-15戦闘機にサステオを給油し飛行を成功させている。ブルーインパルスのT-4中等練習機に使われたのは今回が初めて。合計5キロリットルが使用された。
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