こうした食品ロスを減らすことは、限られた資源の有効活用につながり、数多くの食材を輸入に頼っている日本にとってもメリットでしかない。とはいえ、食品ロスを減らすには、消費者の意識はもちろん、飲食業界自体も変革していかなければ実現は難しく、なかなかハードルが高い。
ただ最近の物価高により、食材を購入する際も無駄のないよう意識する傾向にあるのではないだろうか。そうしたなかで、カゴメが「野菜定点調査2023」にて、食品ロスに対しての調査結果を発表している。
それによると、直近1年で食品ロス削減について意識することが増えたかの問いに、8割近い人が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答。特に10代は「そう思う」と回答した人が42.1%おり、ほかの世代より高いとのこと。いまのような飽食の時代だと、なかなか「もったいない」という意識が薄れがちだが、若い世代に少しでも浸透していくことが食品ロスの削減に大きく貢献するはずだ。
「そう思う」と回答した人の野菜が好きか嫌いかを結びつけてみると、「野菜が嫌い」と回答した人が13.7%に対し、「野菜が好き」と回答した人は37.6%と野菜好きの人のほうが2.7倍も多いということがわかった。この結果が野菜好き=食品ロスに対して意識が高いとは言い難いが、もっとも廃棄されやすい食品カテゴリーで生野菜が33.6%となっており、生野菜をどう保管して消費するかが食品ロスを減らすポイントであり、野菜好きはそのあたりを考えて生活しているのではと推測される。
最近は、野菜をカット販売する店舗がほとんどだが、一度に使い切れない野菜のトップ3として、キャベツ、はくさい、だいこんと大きめの野菜が上位になっている。また、保存する際に傷めさせてしまう野菜のトップ3は、もやし、キャベツ、レタスとなっていて、どちらもランクインしているキャベツがあるのは興味深い。
カゴメが監修した情報サイト「VEGEDAY」では、野菜を使ったレシピだけでなく、保存方法も掲載されており、キャベツを冷凍保存する仕方などが紹介されている。家族で暮らしていれば消費される量が多いのでそれほど意識する必要はないが、一人暮らしだと保存が難しい野菜はなかなか選びづらいもの。こうした情報サイトを活用することで、ムダなくおいしく消費でき食品ロスにもつながるという一石二鳥につながるので、ぜひとも有効活用してほしい。
出典:カゴメ「野菜定点調査2023」より